もう、思い出すだけで悔しいし恥ずかしい。
しかもその後、佐助はまことの乳首を吸うだけ吸ってくたくたになるまで翻弄した後、急にガバっと頭を上げてため息をついた。
「・・・もー旦那ってばホント勘弁してよー!せっかく頬の腫れも引いたってのに!っくー!これってなんなの?!・・・とりあえずまこちゃんっ続きはまた後でねっ!」
そうして、さっさと退散っ!と言い残すとドロンとどこかに消えてしまったのだ。
まことは何がなんだかわからず、しかし今までグッと締められていたペニスが開放されたのだけはわかった。
「さしゅけさ・・・?んあっ?でる、でちゃぅ、ぃく、ぃくぅ、ん、んんんんんーっっ!!」
「さすけぇ!おぬし、またまこと殿に・・・っ?!」
なんの枷もなくなり、便座に座ってだらしなく大股を広げたまことは、目の前のドアに向かって思いっきり射精した。
あまりの衝撃と気持ちよさに、両足ともつま先立ちになって、尻を浮かせてガクガクと腰を振ってしまう。
瞬間、ドアをふっとばす勢いで幸村が飛び込んできたのだ。
「ひっ!?ゆき、や、んはっ、や、や、いやぁあああああ!!!!」
「な、ぬぉ?!お、おおおぉぉぉぉぉお?!」
一度出してしまったら止めることはできない。塞き止められていた精液が、びゅるびゅると勢いを付けて幸村に掛かる。
幸村も鬼のような形相のまま目をまん丸にして、まことが痙攣しながら吹き上げる様をじっと見つめることしか出来ない。
「みな、みないでっ!ゆき、むらひゃんっ!いやぁ・・・!いや、いやぁ・・・っく、ひぃっく・・・」
痴漢の人の時は顔は見られていたけども、直接ペニスを見られたわけではなかった。
こんな明るいところで大きく足を広げたままの射精するのを幸村さんに見られてしまうなんて・・・!
まことの身体とペニスがぶるっと震え長い射精がやっと終わると、二人の間には気まずい空気とまことの小さな泣き声だけが流れた。
「・・・っく、まこと、殿っ!申し訳ない!某、佐助がまたまこと殿に無体をしていると思いつい飛び込んで・・・、このようなところを・・・・・・!誠に申し訳ないっ!」
幸村は顔を真っ赤にして、今更ギュッと固く目をつぶる。
「っく、ゆき、むらさんのばかぁ、見ないでって言ったのに、僕、見ないでって、っく、ふぇ、」
気まずい空気を打ち消すように声を上げて謝り始めた幸村に、まことは急に甘えたで、わがままな気分になって、何度もばか、ばかばかぁ!と繰り返す。
それでも幸村は「くぅ、幾度も同じ過ちを繰り返し、まこと殿の、こここ、この、このようなお姿を何度も何度も某は・・・っ!まこと殿っ御館様っ、某を叱ってくだされ・・・っ!うおおぉぉぉ!!!」とその言葉を呑んでくれる。
そんな彼にまことはいつもほっとさせられるのだ。
ばかばかばかぁ、うっく、ひっく、と泣くまことに、幸村は目をつぶったまま、申し訳ない!もうしわけない!もうしわけないぃぃ!と律儀に返してくれる。
そんなやり取りを繰り返すうちに、射精をして泣き喚いたからか、だんだんとまことのまぶたが下がってくる。
急に黙ってしまったまことを不思議に思ったのか、幸村の小さく「・・・まこと殿?」と自分を呼ぶ声と、頬をそっとぬぐってくれる暖かい手の感触を最後にまことはカクンと眠りに落ちた。
そして、今である。
まったくもって恥ずかしい!
欠伸をして布団からでれば、まだ明るい外に、あれ?僕、なんでこんな時間に寝てたのかな?と眠りに落ちる前の出来事を思い返してまことは慚死するかと思った。
誰が変えてくれたのか、タンクトップではなくTシャツに着替えていて、下だってちゃんと新しい下着になっている。
『もぉやだ、もうやだ!ばか!佐助さんのばかばかばか!』
同じ事を、何も悪くない幸村に言ってしまった事を思い出してまことはまた泣きそうになる。
完璧に八つ当たりしてしまった。
幸村さんが悪い事なんて何一つないのに、やけになっている自分を放り出さず、ずっと「忝い」と謝り続けてくれた。
『訓練なんてもうしない!もう絶対佐助さんの言う事なんて聞かない!』
最初に「索敵の訓練してみない?」と言われた時、いやです!と言ったあの気持ちを忘れるべきではなかったのだ。
初心忘れるべからずなのだ。
まことはぷん!と頬を膨らませたまま、久々に怒りを覚えて熱くなった身体であまり使う事のない救急箱を取りに居間に向かった。