いたずらハロウィン10

そうしてパジャマを捲りあげた男が、下着も何もつけていない、ただ尻尾が揺れているだけの剥き出しの丸い尻にため息を付く。

「・・・お前、いくら男だからってな、こんなはしたない格好で外に出てくるもんじゃねぇだろう・・・」

ほら、足開け、と物言いは乱暴だが、優しい手つきで淡々と下半身を拭ってくれる男にまことはほっと人心地が付くと、再び周囲に漂うマタタビの匂いとも相まって次第に楽しい気分になってくる。

「ふ、ふふ、くすぐったいにゃ、ふふ、ふふふ」

ピンと立たせていた尾がふるんふるん、と揺れ、「じっとしてろ」と言う男の頭をぱふんぱふんと叩く。
尻尾を動かす度に、男の目の前にある赤く腫れあがった尻穴からぶりゅと精液を垂れ流してしまうのだが、まことは男の人が拭いてくれるし、汚してしまっても大丈夫、と大きな気分になっていた。
そして「またたびにゃ!またたびほしいにゃ!」と振り回した尻尾で男の顔も撫で回しているとパチンと尻たぶを叩かれた。

「んにゃっ!ぶったにゃ!おしり、ぶったにゃ!ぶったんだから、またたびちょうだいにゃ!」

「酔っ払いかお前は。ったく、性質がわりぃ・・・」

またたびにゃ!と喚くまことの尾と耳もざっと拭うと男は「次からは相手に加減してもらえよ」と頭を撫で、小袋を小さなまことの手の上に置いた。
念願の小袋にまことは声もなく、喉からうるうるとまるっきり猫が出すような音を立てて、その場ですんすんと鼻をならして丸まろうとする。

「っと、おいおい、いいか、家の中でだからな。ここでじゃない。それと、このまま外に出るんじゃねぇ、ほら、中に男がいるんだろう?そいつの隣で楽しむんだ。誰かにしっかり見ててもらえ」

お前は危なっかしい。と男はため息をつき、凛々しい額に一房垂れてきた前髪をかきあげてから、ひょい、とまことを抱き上げる。
玄関に放り込んでも、まことは小袋を両手に持ち、蕩けた表情でうるうると喉を鳴らし小袋に頬ずりしたままその場を動かない。
男はしばらくそんなまことを呆れたように見て、たまにそっと耳の付け根を撫でたりしていたが、そういえば、とデジタルカメラの存在を思い出しまことのマタタビに酔う姿をパシパシと数枚カメラに収める。

「・・・よし。・・・おい、俺はもう行くが、覚えているか?この箱の中に薬がある。それと、その格好で玄関からは絶対に出るな、もし誰か来たとしてもお前はマタタビにだけ集中してろ。わかったか、絶対に、外に、出るな」

一言一言力を込めて忠告したにもかかわらず、マタタビに夢中で話を聞いていないまことに、男はカチンとして小袋を取り上げる。
背の高い男に手の届かない頭の上で小袋をぶら下げられたまことは、みゅぅう!と半泣きになるが、男は涙目のまことに同じ事を繰り返し言い聞かせ、「わ、わかりましたにゃあ!」と返事を聞いてから、最初から人の話はちゃんと聞け、と小袋をまことに返す。
そうして男は「おにいさん、こわいけど、やさしいにゃ」と呟いてまたその場で丸くなるまことに苦笑を漏らし、そっとその小さな頭を撫でると、静かに玄関を出て行った。
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