summer heat 3


が、次にまことが感じたのはペニスが擦られる快感ではなく、息苦しさと先輩の汗の臭い、そしてめりめりと体を割く痛みの衝撃だった。

「んぶぅっ?!ぶぁ、あ、ぁああああ〜〜〜〜
「ングッ、ッ、まこ、んちゅ、はぁあ、まこ、エロい、ンッ、ぁあ、っぷ、は、すっげぇかわいい、」

少しの間だろうが、まことの記憶は飛んでいた。
唇を、噛みつくように奪われている。
ぶちゅ、ちゅ、にゅる、ちゅば、と先輩の厚い唇と舌が、己の口をねぶり、いやらしい音をたてている。
右足の膝裏を持たれて担がれて、その先にはいつの間に破られてしまったのか、まことのペニスに張り付いていたはずのスケスケでぬとぬとのパンティの切れ端が引っ掛かっていた。
地面には左足のつま先しかついていない。
背もたれにしていた木の幹と、大きく開かされた足の間、尻に潜り込んでいる熱、ペニス、先輩のおちんぽだけが、まことの体を支えている。

そう、そうなのだ。

今、下腹部に受けている衝撃は、先輩のおちんぽがお尻の穴に入った衝撃なのだ、と頭で理解した時には、まことのペニスは触れてもいないのに激しく射精をし、せっかく買った浴衣を汚しながら、己の顎にまでねっとりとした精液を飛ばしていた。
衝撃で先輩のおちんぽをぎゅうぎゅう締め付けるだけだった尻穴が、その雄肉の硬さ、熱さにねっとりと蕩け、味わうように蠕動をはじめる。

『い、いきなりいぃぃぃ〜〜いきなりおちんぽきたぁああ〜おっ、おっきい、しぇんぱいのおっきぃおちんぽぉっはいってる、まこのナカにはいってるっぁ、で、でてる、おちんぽっおちんぽいれられただけでっまこ、おもらしっザーメンおもらしなのっあひ、あ、おもらしっ、してるのにぃぃ〜しぇんぱいのおちんぽっうごいて、なかっ、まこのおしりのお肉っ、おちんぽでごりごりってかきまぜられてるぅう

先輩の好みの淫語まみれの叫びがまことの脳内に響くが、実際口から出たのは獣のような喘ぎ声だけだった。
先輩も、ほぼ意識を飛ばして射精をしているまことの姿を見て、ハッハッと犬のような荒い呼吸をしながら、自分の唇にまで飛んだまことの精液をものともせず、ベロリと舐めとり、その口で再びまことと深いキスをする。
そうして、蠕動をはじめたばかりの淫穴が馴染む前に、先輩の雄肉はまとわりつこうとする淫肉をかき分けるようにずるぅ〜と抜けていってしまった。
張り出たカリ首がまだ狭い肉壁を、前立腺ごとごりゅりゅりゅ、とえぐって出ていくのに、まことは「おほぁあ」とキスの合間に空気の抜けたような喘ぎをもらし、あまりにも強烈な快感に目玉をひっくり返して痙攣する。

本格的に花火大会は始まったらしく、ドォン、とまた頭上で花火があがり、まぶしさと快感で目の前を真っ白にさせていたまことだが、今度は雄肉が抜けてさみしそうにヒクついていた肉壁を、ずにゅにゅにゅにゅ〜と押し広げるようにペニスが潜り込んできた。
先ほどえぐった前立腺を膨らんだ亀頭で押しつぶし、そのままズブンッ、とまことの弱点である、壁の奥を叩かれた。

「ひぎっおっ、んっあはぁっ
「あぁ、まこ、その顔、すっげぇ好き・・・」

勝手におちんぽの先が開いてびゅうびゅうとナニがを噴き出してしまう程弱い所を、大好きな先輩の大好きなおちんぽで突かれ、まことは啜られていた舌をそのまま突き出した格好で首を反らす。
先輩にその舌をしゃぶられながら、ゆっくりと揺すられるように、ぬぶっぬぶっと尻穴を穿たれる。
浅く前立腺をコリコリと擦られると、抱えられて視界にはいっていた右のつま先がビクビクと痙攣した。

「・・・まこのナカ、すっげぇうねうねしてる・・・まこ、きもちぃ?ちんぽ、おいしい?」

唇を離すとでろぉ、と泡立った唾液の糸が引いた。
パララ・・・と小さく上がり、消えていった花火でその下品な糸がキラキラと光ったのが、まことの蕩けた目にはとても綺麗に映った。

「んっ、うんっはっ、はぅっしぇ、しぇんぱいのおちんぽっ、おちんぽおいしぃっおちんぽっおちんぽしゅきぃっ
「ん、好きなのは、ちんぽだけ?俺の事は?」
「しゅきぃ、あっ、あっ、あひっ、ンッ、しゅ、しゅきぃ・・・しぇんぱいも、しぇんぱいがいちばんしゅきぃ・・・

そうして、また何度目かの花火が大きく上がり、周囲が明るくなった。
まことを見下ろす先輩の瞳は、既に発情した獣のような色は鳴りを潜めており、優しく暖かかった。
その優しく潤んでいる先輩の瞳が、蕩けて、歪んで、でろでろと、涙と鼻水と精液で醜く汚れているだろうまことの顔を見て、嬉しそうにほほ笑んだ。

「あぁ〜・・・、やっぱ俺、すっげぇまこの事、好きだわ・・・」
「まこ、まこもっ!しゅき、しゅきぃだいしゅ、ぎいっ?!」

好き、と言って、それを認めて貰える。
好き、と言って、好きだと言い返して貰える。
そんな至極の幸せに、胸の中までも快感で満たされて、心までとろとろと蕩けていた所に、優しく嬉しそうな笑顔を浮かべた先輩が、表情に似合わない勢いで雄肉を突き立てた。
ずごんっ、と雄肉に最奥の弱点を叩かれ、先輩、先輩、すき、すき、だいすき、と訴えていた口が、衝撃でもつれて舌を噛みそうになる。

「あーっあーっあーっあっあっおくっおくぅ
「まこ、すっごいエロい、ケツん中うねって、っ、ほら、もっと奥も突いて、やるからっ!」

そう言うと、先輩はまことのつま先立ちをしていた左足も抱えて、自分の腰に巻き付けた。
ゾッとするような浮遊感に襲われ、木の幹にぶつかってしまう、と思ったが、それよりも先輩に腰を持たれて抱き上げられてしまった。
自然、自分を支えるのは先輩の雄肉だけになってしまう。
全体重がかかったそこに、腸壁の最奥に当たっていた、と思ったペニスが、ズブッ、ヌブブブッ、と更に奥へと潜り込んできた。

「ん゙っ?!ひ、ぃいいいいっうしょぉおっ、ふか、ふかいぃぃっ

パラパパパ、と何百発も空に上がる花火のせいで、周囲はずっと昼間のように明るくなっている。
真昼間の明るさの中、まことは涙と涎まみれの顔を蕩けさせ、悶絶しながら再絶頂した。
びゅうぅ、と一度目とほぼ同じ勢いで精液が顎にまで飛び、ますます浴衣を白く染めていく。
腸肉は勝手にぎゅうぎゅうと雄肉に絡みついて腸内射精を促し、逆に雄肉はそのキツキツに締まった淫肉を味わうように抜き差しされ、こねくり回される。

「おひっ、ひっ、おっ、んぅっ、ひぅっ
「あー、まこ、まこ、ナカ、だしてイイ?」
「なかっ、なかだしっ!くらしゃいぃしぇんぱいのせいしっなかにたねづけしてくらしゃいぃぃ
「っ、っ!まことっ!」

射精をして敏感になっている腸肉を、今にも射精しそうな程熱く膨れた雄肉で捏ねられて、まことは行き過ぎる快感に体中を痙攣させた。
ビクンッと背中が勝手に反り、先輩の腰に回った足はがっちりとその雄々しい腰をホールドし、カクカクと腰が勝手に揺れる。
勝手に跳ねるまことを逃がさないとばかりに、先輩はまことの震える柔尻をわし掴む。
そうして、お互いが楽しむセックスではなく、種付けの為の本能的な荒々しい抽挿でまことを肉穴を犯し始めた。
深くまで刺さった雄肉が、まことの肉穴の最奥の結腸付近をゴッ!ゴッ!と突く。
前立腺を抉られるのとはまた違う、射精のような弾ける快感とは別の、重くねっとりとした、どこか切ないような快感が、まことの下腹部に溜まっていく。

「ぁ、ぁ、ぁ、あっ、あっ、あっ」
「──っ、まこっ、」

一層深く、重く、ゴツンッ、と突かれ、そこでぶわりと先輩の亀頭が膨らんだ。

『せんぱいの、せいし、まこの、おくにくる、っ、───っ!』

その時、ドォン!と頭の上で、今日一番の花火が上がった。
空気が震え、その振動は雄肉を咥え込んで突き当たっている、まことの結腸の奥までをビィィィン、と震わせた。
感じた事のない快感に、まことの目の前が花火のせいだけではなく極彩色に染まる。

「─ッ!───ッ!ッ!」

そんな極彩色の夜空を背に、自分を見つめる先輩がいた。
感じ入っているまことの顔を、熱心に、じぃっと見下ろしながら、荒い息を一瞬止めて、まことの震えている奥の壁にむけて射精をした。
びゅるるぅッと勢いよく噴き出した粘液をまことの腸壁のヒダに塗り込むように腰を動かしながらも、先輩の瞳はまことをじっと見下ろすのを止めない。

『たねじゅけ、しゃれてるところ、みられてる・・・まこが、おしりだけでイって、おんなのこになってるところも、ぜんぶみられて───ッ、』

「ッ!ッ!ヒッ───ッ!!!」

まことの下腹部に溜まっていた重く、切ない快感も決壊したようだった。
腰に巻き付いていた足も、先輩の首にしがみついていた腕も、力を入れる事ができなくなった。
尿道もぱっくりと口を開き、そこから精液とも、尿とも違うナニかを噴出していた。





「はぁ、は、はぁ、まこ潮ふいてら・・・ン、かわいい」

ピクピクと小さく痙攣をしているまことの耳には、もう何も聞こえていないようだった。
白目をむいて、ぽかんと開けた口からは舌と唾液を垂らし、涙と汗にまみれた、お世辞にもかわいいとは言えないその顔を、しかし先輩はなによりも愛おしそうに、見つめ、ちゅ、ちゅ、と額に、頬に、キスを落とす。

「まこ、本当にかわいいなぁお前は・・・かわいくってエロくって、サイコーな俺の恋人・・・あぁ、夢みたいだ・・・」

自分の性癖が少々歪んでいるのは知っていた。
清純そうな子に淫猥な事をしてもらいたい、人目がある所でいやらしい事がしたい、道具だって使ってみたいし、かわいいまことが誰か知らないオッサンにガンガンに犯されて、嫌だ嫌だと言いながらも感じ入ってしまっている所も見てみたい。
それでも、今まで普通に女の子と恋愛ができたし、その延長の普通のセックスだってできた。
そう。そこそこきちんと、ちゃんと、『楽しい』と感じていたはずなのだが、まことと出会い、恋をして、セックスをして、この快感や充実感を味わったら、あの時感じていた『楽しい』という感情は一体なんだったのか、と不思議に思うのだ。
自分の好みばっちりなまことが、ちいちゃくて、おとなしくて、かわいいまことが、更に自分の性癖にもかっちりきっちりハマっているまことが、自分の事を好きだという。

まことは自分にとって奇跡の存在だ。

「まこ、まこ、好き、好きだ、ずっと大事にしてくから」

外で、相手の意識を飛ばす程のセックスをしておいて、ぬけぬけとこんな事を誓う自分に対し、まことはそれでもはにかんで、自分も好きだと言い返してくれるのだろう。
なんてかわいい、なんて最高の存在なのか。

「・・・さて、と。しかし派手に汚しちまったぜ・・・どーやって帰っかなぁ・・・」

既に最初に放ったまことの精液は、ここの熱気と夏の気候が相まってまことの浴衣にカピカピになってこびりついている。
軽装で来た慶次はタオルや手拭いなど持っているはずもない。
萎えた物をまことの尻穴から抜けば、注いだ精液もそこから溢れ、まことの白い太ももに伝い益々浴衣を汚してしまった。

しかし。これもいいかもしれない。

明らかに、今さっき、男のペニスを味わいました。精液を被りました。セックスしたてです。という体のまことを連れ歩いて帰るのだ。
ぷんぷんと匂う雄の臭いに、男なら誰でもこの子はセックスをしたばかりだと気づくだろう。
そしてきっとその頭の中で、隣を歩く自分と、まことのセックスを思い描くのだ。
花火もそろそろ終わってしまうし、帰りの電車は満員なはず。
満員電車にそんなまことを連れて乗ったら、周囲の男達はどんな反応をするのだうか。
恥ずかしがるまことの浴衣を肌蹴させてやって、この腿に伝う己の注いだ精液を見せつけてやりたい。
なんなら、その場でまた己のモノを突っ込んでたんまり種付けをする所を見せつけるのもいい。
自分の妄想に興奮し、ぶるり、と体を震わせた慶次は小さく息を吐き、落ち着こうと首を振る。
我に返れば周囲に漂う火薬の香りに夏の残滓を感じ、どこか切ない気分になる。

そんな自分に慶次は苦笑を漏らすとまことの浴衣を形ばかり整え、そっと自分の胸に囲いこむ。
意識がないながらもまことも満足気な微笑みを浮かべ、うぅん、と小さく吐息を漏らすと慶次の胸元に頬を寄せる。

そんな二人を祝福するかのように、頭上ではクライマックスとばかりに色とりどりの花火が夜空を彩っていた。
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