屋上にて5


上にいる三人からは、乱暴に掻き乱された髪の合間から覗くまことの蕩けた瞳がよく見えた。
同時に、二人が体勢を変えた事でまことの乳房が慶次の勃起したペニスを挟み込んでいたのも見えた。
蕩けた瞳のまことは乳房の谷間から生えた慶次のペニスにうっとりとした視線を注ぎ、幾度も慶次の顔を見上げてこちらが見えていない事を確認すると、乳房を使ってペニスを擦り上げ始める。

「おちんち、かた、っ、ふぁ、んっ、あっ、あっ、ああっ、」
「っ、まこ、まこ、まこっ!あっ、く、」

まことの唾液と慶次の先走りでどろどろになっていたペニスは、まことの汗ばんだ胸の谷間でつるつると滑り、捏ねられる。
ちゅくちゅくという水音が次第にぢゅばぢゅばと粘ついたものになり、堪えきれなくなった慶次が腰を跳ね上げらせてまことの肌とぶつかる音が響き始める。

「ぁ、あ、あっ、せ、せっくしゅ、せっくしゅしてるっ!まこ、まこのおっぱいっ、慶次さんのおちんちんとせっくしゅしてるぅっ!」

ぬぶっ、ぬぶっ、と目の前で乳房の肉から頭を出したり引っ込めたりする傘の張った亀頭や、余裕をなくして乳房に叩きつけられる慶次の腰に、まことは焦点の合わない瞳を潤ませ淫猥な笑みを浮かべる。

「おちんちんっ、ぱんぱんってするのぉっ!おちんちん、もっと、もっとまこのおっぱいにぱんぱんって!ぁ、ヒイイイッ!しゅご、おっぱいせっくしゅすごいっ!おっぱい、おっぱいきもちぃよお!」

慶次のペニスに犯されるまことの胸はたぷたぷたぷっと激しく揺れ、桃色に勃起した乳首が上下に振り回される。
突き出されていたまことの尻がビクンビクンと幾度も痙攣し、ずっと内股を擦り合せては何かを誘うように左右に揺れていた。

「あっ、ぐ、まこ、も、でそ・・・」
「んっ、だ、だしてっ!せ、精液っ!ここに、おっぱいの中にだしてぇっ!」

両手でまことの髪を掻き回していた慶次はくぅ、と喉の奥からうめき声をあげると、ずっと目元を覆っていた目隠しを片手でもぎ取った。
バチリと音が聞こえる程に慶次と目が合ったまことは、ヒッ、と喉の奥で悲鳴を上げると蕩けさせていた瞳に怯えを浮かべ、反射的に逃げようと身を捩じるがすぐに腕を捕まれて阻止される。
そのまま両腕を掴まれきつく寄せた胸の谷間を犯されながら、ギラギラと光る慶次の瞳にくまなくその表情や、乳房、勃起した乳首を見つめられる。

「ヒ、イヤッ!イヤーッ!みな、みないでっ!けじしゃ、うしょつきぃっ!みないって!みないっていったのにっ!ひ、あっ、アッ、アッ、ヒッ、」
「まこっ!わるい、かんべんなっ!ック、は、で、る───ッ」

うしょつきぃ、とまことの甘えた泣き声が響いたと同時に慶次のペニスがビクリとしなり、尿道口を広げるとまことの胸の谷間の中で勢い良く射精した。
それは谷間から溢れ出し、びゅうう、とまことの顔にまで白濁した粘液を噴き上げる。
まことは顎に、唇にとはじけ飛んできた精液の勢いや熱さ、匂いに、くしゃりと顔を歪めてビクビクと身体を痙攣させた。

「─ッ、───ッ、ヒッ、ン、」
「っくー・・・まこ・・・すっげーエロい・・・エロくて、かわいい・・・まこも今、イっちゃった?」

射精が終わったペニスを胸から抜くと、尿道に残っていた残滓が糸を引いて垂れ落ちる。

『アレ』の正体がとうとう分り、落ち着かない腰元をなだめていた政宗だったが、下を覗きこんでいた佐助が満足そうに手元の携帯を見下ろしてニヤついているのに気が付いた。
隣からそれを覗きこむと液晶には乳房にペニスを挟み、瞳をうっとりと蕩けさせ淫猥な顔でそれを愛しげに見つめるまことの姿が写し出されている。

「お前・・・っ、これどうやって、」
「スマホ、カメラの音消すアプリがあるからね」

佐助が長い指で液晶をドラッグすれば、乳房を揉みこまれて気持ちよさそうに喘いでいる写真、唇の端から唾液を零し亀頭に舌を伸そうとするまことの写真、蕩けた顔で嬉しそうに精液を浴びている写真が表示される。

「・・・俺の携帯にソレ送れ」
「なぁに言ってんの。こんなの他人に見られたらまこちゃんがかわいそうでしょ?」
「ah?・・・お前、何か企んでんだろ・・・」
「ん?あは、何って別にぃ?ただ俺様のオカズになるだけだって」

まことの淫靡な姿が写った写真を見ながら人の悪そうな笑みを浮かべる佐助に、ふと嫌な予感を感じたが、下からまことの涙声が聞こえてきてついそちらに意識を向けてしまう。

「っあ、ああ、ひ・・・せえし、けいじさんの、せえし、あついの、あつくて・・・にがいぃ・・・」
「うん、うん。ごめんな?俺が拭いてやるから・・・まこも下、濡れてる?」
「ひ、し、しらない、やっ!さ、さわっちゃだめっ!イヤッ!けいじしゃ、うしょつき、けいじさん、うしょつきぃ・・・みないって、みないって・・・」
「ごめん、ごめん、まこ、抑えきかなくなっちまって・・・つい・・・」
「ぅっく、ひ、ばか、ばかばか・・・う、き、きらい、けいじさん、きらいぃ・・・」
「っ?!まこっ!わ、悪かった!嘘つきでもバカでもアホでも変態でもいいけど!嫌いってだけは・・・それだけは、言わないでくれよ・・・俺、今、まこに『嫌い』って言われて・・・泣きそうになっちまった・・・」
「ひっく・・・ん・・・じゃ、じゃぁ、けいじさんの・・・え、えっち、へんたい・・・へんたいぃ・・・」
「・・・それはそれで・・・な、なんか・・・興奮するかも・・・」
「へんたい・・・へんたいけいじさん・・・」

精液にまみれた顔を拭われながら罵倒だか睦言なのか分らぬ言葉を発するまことに、政宗は疼く腰元とは逆に胸の底が冷えていくのを感じる。
いくら意にそぐわぬ事をされ、慶次を罵倒をしようとまことの指は慶次の制服の裾を握って離さないし、潤んでいる瞳には拒絶の色は浮かんでいないのだ。
今日はとことんついていない、と真っ青に輝く空を見上げてため息を吐いた政宗だったが、しかし次に耳に入った二人の言葉に思わず政宗だけではなく、佐助も、気絶寸前の幸村も目を見開いた。

「ああー、早くまこの事、全部俺のもんにしちまいてぇ・・・」
「・・・まこも・・・まこもはやく、慶次さんに、ぜんぶ、ぜぇんぶ、あげたいの・・・」
「まこ・・・そしたら今晩も俺の部屋に来なよ。まこのあそこ小ちゃいから、毎日毎日いーっぱい慣らさないとなぁー」
「っ?!・・・えっち!けいじさん、えっちですっ!・・・でも、でも、・・・・・・・・・だいすき・・・」

政宗達の脳裏に『Virgin』『処女』『生娘』という文字が躍る。
まだまことは前田慶次の毒牙にかかっていなかった。
まだあの身体は誰のものにもなっていなかったのだ。

この事実に、その後にいちゃいちゃと交わされる甘くべたつく砂糖菓子のような言葉は耳に入らなくなり、パァ、と周囲が明るくなった気さえした。
今日一日感じていた『ツイていない』という感情が吹き飛んでいく。

それならば、まだ、あの身体が誰のモノにもなっていないなら、自分が───。

そうして給水塔の上の三人は、互いがまことにフラれたもの同士の仲間から、まことの初めてを狙う敵同士になった事に気が付いた。
となると先ほどの猿の写真は危険だ、と政宗はコソコソと携帯を尻ポケットにしまう佐助の襟首を掴む。

「うげっ?!ちょ、何さ伊達の旦那、」
「猿、テメェさっきの写真消しやがれ。それか俺にも転送しろ!」
「いーやーだって言ってるっしょ!」
「・・・む?・・・写真・・・?写真とは何だ佐助っ!俺にも見せぬかっ!逃げるでないっ!そこへ直れ!」

下に響かぬようにこそこそ、とやりあっていた会話だったのだが、まことの色気にあてられていた幸村がようやく復活し、二人の会話を聞きつけて怒鳴り声を上げる。
そのまま現状を忘れていつもの殴り合いの喧嘩に発展していった三人は、給水塔に上がってきた怒髪天を突いた珍しい慶次にぼこぼこにのされて、涙目のまことに「三人とも・・・えっち!ばかっ!変態っ!・・・っ、っ、嫌いですっ!ゆ、幸村さんもっ!佐助さんも、政宗さんもっ!嫌い、大嫌いですっ!」と罵られたのだが、慶次の言う通り、まことの涙声の罵声には何か腹の奥をムラリと煽るものがあった。

慶次に殴られ腫れた頬は痛いが、床に転がり見上げる青い空は先ほどまでよりも輝いて、素晴らしいものに見えた。
いつつ・・・、イッテェ、意外と前田もやるじゃねぇか、と三人で無駄口を叩きながら、吸い込まれそうな青空にそれぞれまことの顔を思い浮かべる。
くるりとトンボが円を描く、そんな涼やかな秋晴れの空を見上げる三人の瞳は、爽やかさの欠片もない、メラメラと真夏の太陽以上に熱く激しい情念が渦巻いているのだった。
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