慶次さんの唇は、見た感じだと厚くてしっかりしていてなんだか固そうなのに、いざ触れるととても柔らかい。
他の人とキスなんてした事ないからわからないけれど、誰の唇もこんなに柔らかいのだろうか、それとも慶次さんだけなのだろうか。慶次さんは僕の唇、どんな風に感じているんだろうか。
ペニスやお尻の穴ではない、顔の真ん中についてる部分を合わせているだけで、なんでこんなに気持ちよくて胸がどきどきしてしまうのだろう。
慶次とキスをする度にそんな事がまことの頭に浮かぶが、慶次の柔らかい唇が自分の唇と優しくこすれ合い、吐息がかかり、つぶったまつげの生え際や鼻の頭に視線を感じると、そこからこそばゆいピリピリする刺激が背筋を走り、蕩けはじめた思考の中、夢中で唇を合わせる事しかできなくなってしまう。
こんな時に、こんな場所で、いいのだろうか、このまま熱い身体をまさぐっても、もっと深く唇を合わせても、大丈夫なのだろうか。
お互い探り合うように、汗と唾液でしっとりとしている唇を擦り合わせ、押し付けてはまた離すだけの、心地よいが物足りないキスを続ける。
いつもとは違い、それに最初に焦れたのはまことのほうだった。
少し上ずった息を吐きながら背伸びをして小首を傾げると、舌を伸ばして慶次の唇の隙間に差し込んだ。
ちゅくちゅくといつも慶次にしてもらっているように固い歯を舐め、その間から出てくる熱い舌に自分の舌を絡ませる。
まことは、体の乾いた部分よりも、濡れた粘膜を擦り合わせる方がいやらしくて気持ちがいい事を、この狭くて蒸し暑いエレベーターに似た電車や駅のトイレの中で、何度も何度も慶次に教えてもらった。
慶次に上顎のざらざらしているところを舐められると、腰が砕けてしまいそうになるのも慶次に教えてもらった事だ。
まことは慶次の首に両腕を回し唇を深く重ねると、その上顎をチロチロと舌でくすぐる。
腰に回された手がピクリと跳ねた事に、まことは胸が蕩けるような喜びを感じた。
『けいじさん、まこのキスで気持ちよくなってる・・・ん、もっと、もっとキスしたい・・・、けいじさんのいろんなとこ、いっぱい舐めたいよぉ・・・!』
いつになく積極的なまことに驚きつつも、慶次もぶかぶかのハーフパンツのウェストから手を潜り込ませるとむんずと尻たぶを掴み、谷間を開いてそこに足を割り込ませた。
「んぁっ?!や、おちんちんぐりぐりだめなのぉ!あぅ、ふぁ、けい、じさっ、けいじさぁんっ!」
「・・・なぁまこ、なんかいつもよりすけべになって・・・んぶっ!」
まことは股に差し込まれた足の上に跨り、広い胸に圧し掛かると、むしゃぶりつくようにキスを仕掛ける。
キスの合間に「けいじさんだめぇ、おちんちんだめなのぉ!」と泣き声を上げるくせに、自分で腰を振りたくって慶次の腿にペニスをこすりつけてくる。
その痴態に慶次も目の奥をじわりと熱くさせた。
絡みつく邪魔な下穿きを片手で剥ぎ取って柔らかい尻たぶを揉み込み、谷間の奥にある尻穴を固い指先で何度も擦る。
指先が引っかかる度に慶次の指を飲み込もうとひくつくそこは、いつの間にか垂れてきていた先走りの液でぐしょぐしょに濡れていた。
「んぁ、けいじさ、んっ!おしりっ、いれちゃうの?ぁ、こ、ここでしちゃうの?」
やっと最近、尻穴で慶次の大きなペニスを受け入れる事に痛みだけではなく快感を感じ取れるようになってきたまことは、じわじわと体内を開かれてゆくあの圧迫感を思い出して腰を震わせる。
慶次さんのおちんちん、熱くて固いのが自分の内側に入ってきて白くてねばねばの液がたくさん奥の奥に注がれるのだ。
キスをしている間も蕩けた瞳を閉じなくなったまことは、爛々と鈍く光ってくる慶次の目を見つめ、ひぃんと喉を鳴らす。
「まこ、まこ、わりぃ、今すぐまこに入れてぇ・・・っは、すっげ、わかる?もうまこのマラ、とろとろになってるぜ?ほら、そんなに腰振って、尻もとろとろで濡れて・・・ふ、指もう2本も入っちまう・・・」
先走りで濡れたまことの尻穴は、慶次のペニスを欲しがってダラダラとはしたなく涎をたらしているようだった。
慶次はひくつく肉を掻き分け、ぬぢゅ、と濡れた音を立てながらまことの尻穴に指を突き入れる。
「い゙あ゙あ゙!んあ゙っ、はいってくるぅ!お、おしりすごいのぉ!んあっ、けいじさぁん、まこ、まこすごいの、すごいっ、いっぱいきもちいいのぉ、とまんない、とまんないよぉ!」
けいじさん、まこ、とまんないのっ、すごいのぉ・・・!とまことはうわ言のように繰り返し、慶次の胸元に頬を擦りつけ、持て余した身体の中で渦巻く熱を逃がそうとする。
しかし、擦り付けた胸元は薄っすらと汗ばんでいて、まことはその慶次から立ち上る汗の匂いにさえ眩暈がする程興奮した。
「んーっ!んぅー!んあぁ!だめぇ!もぉだめぇ!けいじさん、ほしいよぉ!おちんちんほしいのぉ!おっぱいにも、おしりにも、おちんちん!ふぁ、けいじさんの、せぇし、ほしいのぉ!」
「・・・っまこ・・・、はは、ほんと、俺の嫁さんはどスケベだなぁ・・・」
まことの尻と慶次の両手を包んでいるまことの下着は、先走りを吸って漏らしたかのようにびしょびしょになってしまっていた。
慶次は喘ぎ泣くまことの耳たぶに低く笑い声を落とし、その下着を剥いてべちゃりと床に放るとそのまま壁に背を預けて座り込む。
「まこ、俺の欲しいんだろ?ほら、こいよ」
足を広げて座る慶次の股間も、ズボンの布地を強く押し上げていた。
まことはそれを見て溢れ出る唾液を必死で飲み込むと、未だまことの先走りで濡れている人差し指で指された慶次の股ぐらに、崩れるように座り込んだ。