詰襟セーター9


震える指先を下半身から離すと、ツウ、と透明な糸が引いた。
プツンとその糸が切れてシーツに垂れ落ちて行くのを慶次と二人、じぃと見つめていると、幾度も唾を飲み込みゴクリと喉を鳴らしていた慶次が顔を上げ、まことの顔を覗き込む。

「・・・まこ・・・まこ、し・・・下、また見せて?」
「っ、っ!やっ!ダメっ!だめですっ!」

慶次の潤んで瞬く瞳を見ていられず、まことは体育座りをしていた足をきつく閉じ、股にはパジャマを挟み込むとぎゅう、ときつく目を閉じる。

「まこ、まこ?さっきは見せてくれたじゃん・・・。あ、それじゃさ・・・」

俺のと見せっこしよう!と笑いを含んだ低い声が耳朶を擽り、目を閉じたせいで過敏になった聴力が衣擦れの音を拾う。
しかし、衣擦れよりも何よりも、聞き捨てならない言葉が聞こえてまことはハッと目を開く。

「みせっこ・・・」
「そうそう、まこにばっかり見せてもらってるのも悪いしさぁ・・・って、男同士だから俺の見たって何にも楽しくないか」

たははは、と笑う慶次の声は、目を開いて視力に集中したせいで、もうまことの耳には入ってこなかった。
まことの目の前で、慶次の手が下穿きから大きなペニスを取り出したのだ。

『けいじさんの、おちんちん、』

じゅわ、と口に唾液が沸いた。
慶次のペニスは男だった時の自分のものとはもちろん比べ物にならない程大きく、隆々と勃起をしている。
先走りが溢れて亀頭がてらてらと濡れているのを見ると、まことの腰は勝手に跳ね、尻がシーツにこすり付けるように揺れてしまう。

「お、っき、けいじさんの、おちんち、すごい・・・」
「え?あ、ありがと・・・・・・まこ、そんなにジィっと見ないでくれよ、照れちまう・・・」

蕩けた瞳を瞬かせもせずペニスに視線を注ぐまことに、慶次は頬を赤く染めて困ったように眉を寄せる。
魅力的な女の子の見目をしたまことに勃起したペニスを晒すなんて、一種のプレイのようで腰が落ち着かない。
先ほどこの子も今の自分と同じような羞恥を感じたのだろうか。と股間を隠しながらまことに視線をやると、いやいや、とむずがるように首を振り「だめ、だめらの」と覚束ない口元で慶次に抗議をする。

「な、何だい?」
「だめ、けいじさ、おちんちんもっと・・・もっとなの・・・もっと、まこ、もっと慶次さんのおちんちん見たいよぉ・・・」

はふう、と笑ったまことの唇の端から唾液が一筋垂れ落ちて行く。
その淫靡な姿に慶次の腰の奥にズクリとした重い快感が走る。

もしかしたら。
自分は歳相応に結構なスケベ野郎だと思っていたが、まことは、この子はそれ以上にスケベなのかもしれない。
まことの内腿の奥は影になっていて見えないが、その下のシーツはじんわりと濡れて色を変えている。
先ほど指先に糸を引いていた淫液。視線だけで、その場の雰囲気だけで、あんなに濡れてしまうのだ、この子は。

「まこ、俺の見たいの?」

囁くような慶次の声に、まことは幾度も首を縦に振り乱れた髪を紅潮した頬に貼り付けて蕩けた瞳で慶次を見つめ返す。

「みたい、みたいの、けいじさ、まこ、おちんちん、みたいの」
「・・・じゃ、わかってんだろ?」

ほらほら、足開いて、と促しながら、慶次は先程股間を隠した手で自分のペニスを握り締める。
そこは既に熱くそそり立っていて、軽く扱くと滲んだ先走りが垂れて小さな粘ついた音を立てた。

「っ、あ、けいじさ、まこの、まこのこと、・・・きらいにならないでね?」

甘い吐息を吐きながら、まことは小さく呟くとじりじりと足を開き、股間を覆っていたパジャマの裾を捲っていく。
誰がこんなかわいくってスケベな子を嫌いになるのか、と慶次は儚く健気で小さなまことを抱きつぶしてしまいたい気持ちに駆られるが、触れてはいけないと約束を思い出し、飛び掛りそうになる体に待ったをかける。
そうして捲られた布の奥、そこは先程と同じでむっちりとした肉の割れ目が閉じたままだったが、下毛が濡れるほど淫液が漏れ溢れていた。
まことが小さく身動ぎをするだけでむわりと甘酸っぱい性臭が漂い、慶次は知らず息を荒くして手の中のペニスを握る手に力を込める。
- 48 -
[*前] | [次#]
ページ:

トップに戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -