Pets!33


みつきは朝から機嫌がよかった。
この冬休みに入ってからこんなに機嫌の良い朝は初めてかもしれないという程だ。
目覚めは大好きな叔父の腕の中だった。
寝起きに松永の顔を見るのは久しぶりで、思わずとろりと頬を蕩けさせながら、うっすらと隈ができている目元をなぞり、あの特徴的な髭を掻く。
松永の匂いに包まれた暖かい布団の中、ふわふわと幸せな時間を過ごしていると「姫を目覚めさせるのにはイタズラではなく口付けだろう?」と未だ目を瞑ったままの松永が小さく呟き「ふふ、叔父様がお姫様だなんて」と笑いながら、そっと薄い唇にキスをした。



「あら?薬指・・・なんだか赤い痣ができてます」
「・・・虫に刺されたのかもしれぬな。どれ」
「あっ・・・叔父様、ン・・・」

松永の頬を撫でる左の薬指の根元が赤くなっているのに気付いたみつきは不思議そうに小首を傾げ、しかし松永はその原因の欠片も匂わせずにその手を取ると、自分の胸に柔らかい身体を抱きこんだ。

布団の中で肌を重ねながら、昨日の三人との行為を包み隠さず赤裸々に語るみつきの身体に、松永は指を、唇を這わせ、「胸は可愛がってもらえなかったのか」「尻の縁が腫れてるな」と一つ一つ確認をしていく。

「もう、小太郎ったら酷いんです。あの三人よりもずぅっと酷い事私にしたんですよ?お腹壊してしまって、私がイヤって言うのに無理矢理足を開かせて、お尻、排泄してる所見るんです。何度も何度もお湯を入れて、あの三人が出した精液、全部出して・・・。・・・でも、三人にやきもちを焼いていたみたいで・・・。ふふふ、かわいいですよね?本当は今日オシオキしようと思ってたんですけど、叔父様の所に運んでくれたのですし、私、許してしまいそうです」
「元親は・・・身体も性格もとっても私の好みど真ん中なんです!口がとぉっても悪いんですよ?拘束されてもずっと抵抗してるんです。私に何をされても感じてないって我慢して、悪い口をたたいて。ふふ、でもそれなのにペニスはとろとろになってるんです。ペニスがどんどん大きくなっていくと、あれだけ噛み付いてた口をぐぅって食い縛って、声を出すの、真っ赤な顔して我慢するんです!かわいいでしょう?」
「幸村は、とってもペニスが大きいんです!私、あんな大きなの、初めて見ました・・・。射精したら、お尻の奥、今まで入った事のない所に精液が入ってきたんです!量もすごくって、あんな所まで犯されたのも初めてでびっくりしてしまって・・・お腹壊してしまったの、そのせいもあるんです。小太郎のせいだけじゃないんです。だから叔父様、小太郎をあんまり叱らないでやってくださいね?」
「佐助は─佐助とは、とっても身体の相性がいいみたいで・・・佐助のペニス、全部私のいい所にあたって、入れただけで気が遠くなってしまうくらいに・・・」

みつきの言葉にひとつひとつ頷き、相槌を打っていた松永だが、佐助との行為を思い出し、ほう、と甘いため息をついた時だけ「それは妬けるな。私も風魔を見習って悋気を立ててみようかね」とみつきの唇を塞ぐように深く唇をあわせ、昨日は一度も弄られなかった胸の突起を抓られた。



腫れた尻穴を心配されてペニスは入れてもらえなかったが、久しぶりにたっぷりと松永に身体を愛され、嫉妬までされて、みつきは上機嫌で松永と共に食堂へと向かう。
ああ、本当に、なんて素敵な冬休みになったのだろう。
昨日の今頃は時間と自分の身体を持て余し、憂鬱な気分に浸っていた。
けれども今、自分にはあんなにかわいらしいペットが三人も増えてスキップしてしまいたいほど幸せなのだ。

「ふふ、人生、何があるかわかりませんね、叔父様!」

その言葉の通り、みつきはそれから数秒後、食堂のドアを開けて四人のペットに微笑むと同時に小太郎からビロードの小箱を突き出され、人生初の求婚をされる事になる。
まぁ、と息を飲み頬を赤らめるみつきに、三人はアレは一体どういう事だと面白そうに頷く松永に掴みかかり、それぞれに「ちょっと待った!」と声を上げる。

「『主人』と『ぺっと』って主従の関係なんでしょ?なんで求婚とかできるのさ!」
「某、みつき殿に色事・・・っ、いや、様々な事を教えて頂くと約束をした!されどみつき殿がめ、め、めめめ夫婦となってそのような事がまかり通るのか!」
「俺ァここにいる間にみつきを俺の『ぺっと』にしてやるって決めたのさ!だから風魔、アンタの行為は見逃してやれねぇな!」

「ちょっと、鬼の旦那も何言ってんの!」「そのような事、某が許しはしない!」と姦しい三人に松永は耳を塞ぎ、今にも小太郎が掲げた小箱を受け取ろうとしたみつきを呼ぶ。

「みつき」
「っ、はい!叔父様」

その途端、みつきは指先の小箱も、三人の喧騒もシャットアウトしてくるりと松永に振り返る。
そのままはにかむ様に微笑んで、自分の胸元に駆け寄るみつきをかわいらしいと思いながら、松永は臍を噛む4人の顔を見て、豪快にはっはと声を立てて笑い声を上げるのだった。
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