まるで初めての性交のように、快楽で腰が跳ねるのが止まらない。
愛おしむように、舌で相手の柔らかい所を舐めるのが止まらない。

「ぁ、ぁ、さすけ、さすけ、いきそう？佐助のおちんちん、ぶくって膨れて、ンッ、私の、おなか、いっぱい、押して･･･」
「ああ、みぃちゃんも、ナカ、すっごいヒクヒクしてるぜ？みぃちゃんもイきそう？あは、いっしょに、出そっか？」

重ね合わせた唇を離すと、とろりと濃厚な唾液が糸を引く。
互いに表情がわかる程度に顔を離すと、みつきは佐助の肩に手を置き、蕩けていた尻穴に改めて力を入れなおす。
途端、佐助のつま先だけではなく膝までもがビクリと戦慄き、思わず顎を上げてクッ、と大きく息を呑む。

「･･･う、ぁ、･･･っ、はは、ホント、みぃちゃんのナカ、たまんない、ねっ･･･！」
「ぁぁあ、んぅ、ふ、ふふ、さすけの、さすけのおちんちんもっ、いい、いいです、は、う、んぅ、うう─っ、」

そのままみつきもこみ上がる射精感を堪え、じゅるじゅると濡れた音を立てて尻穴から佐助のペニスを抜いていく。
腸壁が離れ難いとばかりに佐助のペニスに絡みつき、引き摺られた真っ赤な肉が尻穴からちろりとはみ出て、ぬらぬらと部屋の明かりを照り返す。
もう少しで亀頭まで抜けてしまう、というところまでペニスを抜くと、みつきははぅ、はぅ、と荒い息で薄い胸を激しく上下させながら、今度はずぐずぐと濡れたペニスを戦慄く尻穴に飲み込んでいく。

「あ、ぐ、みぃちゃ、いい、ケド、も、俺様、無理･･･っ、っ、───ッ、」
「･･･っ、アッ、さ、しゅけ、私も、もう、ダメ、ぁ、あっあっあっあっ！さすけ、いく、さすけ、ぁ、っあっあっあっアッ、ヒッ、─ッ！」

ずん、とみつきの前立腺を突いたペニスは、そのままそこを幾度も亀頭で撫で擦ると、とうとう尿道口をぱくりと広げ、腸壁に染み込ませるように精液を噴射し始めた。
それと同時に、一番敏感な腸壁の膨らみを突かれていたみつきもガクガクと全身を戦慄かせ、佐助の下腹部に向かって勢い良く精液を噴射させた。

「─っ、ふっ、はっ、あ、あぁあ･･･はぅ･･･ン、･･･さすけ･･･佐助、佐助･･･すごいです･･･佐助の、すごい、さすけ、･･･んぅ･･･」
「･･･っは、はぁ･･･あー･･･みぃちゃ･･･ン、フ･･････あは、みぃちゃんって『きす』、好きだねぇ･･･」

射精が終わり、荒い息の合間にみつきは何度も佐助の頬に、唇に吸い付いてキスを強請る。
みつきを膝の上に乗せたまま少しだけ息を乱した佐助も、そんなみつきに呆れたような、しかしいつも浮かべる軽薄なものではない、隠し切れない楽しげな笑みを浮かべて落とされる唇に応えていく。

ちゅ、ちゅ、という濡れた音と二人の甘い鼻声が部屋に広がり、未だ腸内に潜ったままの佐助のペニスがピクリと戦慄いたのに、みつきはくふん、と身を捩る。

「･･･ね、みぃちゃん･･･」
「･･･佐助･･･ぁ、ン･･･」

キスを強請るみつきの頬を鼻頭で擦り、ふぅ、と耳元に息を吹き込んでやると、面白い程に膝の上の身体が熱を持つ。

なんていい身体──かわいい身体なのだろうか。

再び自分の一物に絡みつき始めたみつきの肉に、佐助は堪えきれない快感と興奮を覚えてぶるりと背筋を震わせた。
みつきも同じ思いなのだろう、先ほどまでの上から見下ろすような態度など微塵もなくなり、まるで恋仲のように蕩けた瞳を潤ませ子猫のように震えながら自分に身を摺り寄せてくる。

薬も術も使わずに、ここまで快感を得られた交合は初めてだった。
あまりの気持ちよさに身体だけでなく、心までぐずぐずに溶けてしまうかと思った。
いや、実際もう溶けてしまったのかもしれない。と自分の胸元に頬を寄せ、腰を振りはじめたみつきを見下ろし佐助は苦笑する。

自分達を犬猫と同じに扱い男の癖に男を虐げる事が好きな、この自分には理解できない性分と淫猥な身体を持ったみつきに、佐助は言葉にし難い、甘ったるい気持ちを抱き始めている。
色恋とはまた少し違う感情で、同族意識に近かった。
きっと互いの溶けた心が少しだけ交じり合ってしまった為なのだ、とガラにもない事を思ってしまう程、みつきがかわいらしくてたまらない。

「佐助、佐助、」
「なに？なぁに？･･･ン、みぃちゃんかわいい」

縋り付いてくるみつきの頭頂部に幾度も唇を落とし、佐助は甘い声でその名を呼ぶ。
名を呼ぶ事も、それに応える事も意味がないとお互い分っていた。
ただ身体を、肌を、言葉をもっと交わらせたいだけなのだ。

そうしてみつきと佐助は再び熱くなった身体を揺らしはじめるが、しかしその時みつきの脇に無骨な大きな手がかかり、同時に「佐助ぇ！」と、ビィンと部屋を揺るがす程の大声が響いたのだった。