Pets!21


『あ、つい、なんと、あついのか・・・』

目の前で微笑むみつきは幸村が今まで見た何よりも妖艶で、慈愛に満ち、儚く見えた。
自分を羞恥の窮みに追い立てるいやらしい言葉を吐く唇も、踊るようにくねる身体も、何かの拍子にふと掻き消えてしまいそうだというのに、自分を包むこの熱のあつさはなんなのか。

「ゆきむら・・・」

頬に伸ばされる指を掴み寄せたいと頭の上に掲げていた腕を動かせば、じゃらりと耳障りな音が鳴り、手首が軋む。
そういえば拘束されていたのだった、と幾度か錠を鳴らし、そしてどう足掻いても触れられない指先に焦れ、いっそう激しく腰を揺らす。
下から突き上げるように身を動かすと、腿に乗りあがった身体がくぅん、としなる。

「ア、アッ、ヒッ、あっ、そ、そうっ、いい、ゆきむら、すごい、気持ちいい、あっ、ヒッ、ン、お、おく、奥、突いて、もっと、」

みつきが望む通りに『奥』を突くと、繋がった部分、みつきの腸壁がきゅうきゅうと自分の肉に絡みつき、思わず熱い吐息が漏れた。
人と交わるという事は、こんなにも切なく、心地良いものだとは。
まるで何かの鍛錬のように、幸村はただ、ひたすらに肉を打ち続けていると、次第にみつきの顔から笑みが消え、きゅう、と眉を寄せた切なそうな色が浮かぶ。
またその表情が儚げで、幸村は腹の奥に性交による快感とは別の、酷い焦燥のようなものを感じた。

手首の錠が邪魔だ。
これさえなければこの儚く消えてしまいそうな熱を己の手にきつく抱き、そんな顔はさせないと誓うのに。



幸村の心中に温く沸いている恋心など露知らず、みつきは暴力的なまでの幸村の技巧に夢中になっていた。

『ぜったい、お尻、かたち、変わってる・・・』

こんな深いところまで、あんなに大きなペニスで、これほどまでに乱暴に突かれた事はなかった。
自分が許さなかったし、もし誰かが自分の意に沿わぬ事を無理やりにでもしようものなら、小太郎や叔父様が黙っていなかった。
そう考えるとある意味自分の『初めて』も、幸村が奪ったという事だ。
かわいい自分のペットの幸村だから、その幸村の初めてのセックスだから、許している行為。

『・・・でも、コレ、クセになりそう・・・です・・・』

柔らかく敏感な肉壁を太いペニスで荒々しく抉られる快感は、今までの自分のセックスにはなかったものだ。
幸村が動く度にその腰元に柔らかなみつきの尻肉が当たり、パツパツと乾いた音を立てる。
その音が次第に勢いを増し、同時にみつきの固く勃起したペニスも激しく揺れ、戦慄く尿道から粘ついた体液が溢れ出し、周囲に飛び散っていく。
勝手に乳首がしこり、つま先が痙攣する。
みつきは小さく首を振り、声もなく限界を知らせるが、幸村がそんな合図に気が付くはずもなく、ただただ言われた通り、切ない表情のみつきを爛々とした瞳で見上げ、必死に乱暴な抽挿を繰り返す。

「─ッ、───ッ、ゆき、むらッ!」

名を呼ばれ、我に返った幸村の唇が、みつきの小さな唇に覆われた。
口内に侵入してきた舌に羞恥を忘れた幸村が舌を絡ませ応えると、錠に繋がれた手首にみつきの指先がかかる。
その暖かな体温に、じぃん、と幸村は胸の奥を熱くさせ、同調するかのようにペニスがぶくりと膨れ上がった。

「ふっ、くぅう、」
「ひぃ、ん、ぁあ、また、おっきくなって、─ッ、ク、もう、私、だめです、降参、こうさんです、」

あぁ、ああぁ、と唾液の糸をこぼしながら、みつきは震える身体を幸村に押し付ける。

「ぁ、ぁ、んぁあッ、ッヒ、ぅ、み、みてて、私が射精するところ、みてください、ッ、ヒ、ほら、ゆきむらのおちんちんで、私、こんな、気持ちよくなってるんです、ゆきむらのおちんちん、イイ、すごい、ゆきむら、ヒ、ゆきむらっ!ア、ア、ンッ、いっちゃいますっ!みて、ゆきむら、も、出る、イク、イクうっ!」

幸村にしがみ付いたみつきの身体が二度、三度と激しく痙攣する。
同時に幸村はづぷん、と奥の奥まで突き刺したペニスを引こうとしたが、しかしそれを許さないとばかりにきつく肉を締め上げられた。
そのまま激しく腸壁が蠕動し、肉の根元から先までをしゃぶりつくすような動きに幸村の腰は勝手にガクガクと戦慄き、戦慄けば戦慄くほどに腸壁は益々己の肉に絡みつく。

『蕩けそうだ・・・っ』

くぁ、と情けない声を漏らすと同時に、みつきの唇から甘く、蕩けた叫び声が上がった。

「ひぃ、ンぅっ、ゆき、むらぁ、あああ、ひぁああ・・・」
「ッ、みつき、殿っ!──ッ、」

それは、衝撃的なまでの射精感だった。
みつきのしなった背のように、幸村の身体も背筋に走る激しい快感に幾度も反り返り、ビクビクと痙攣する。
ぴゅう、と腹に、胸にと熱い飛沫がかかり、頭を下げるとみつきのペニスが震えながら射精をしているところだった。
腿の上の柔らかい尻肉が緊張し、肉が絞られる動きに同調して、桃色の肉の先端、そこの割れ目がぱっくりと開き、ぴゅう、ぴゅう、と細く精を飛ばす。

「ぐ、うぅぅうう、っ、」

視界まで犯されている───。
そう思うと喉の奥から獣のような呻きが漏れ、幸村は腰に渦巻く熱を叩きつけるように、みつきの腸壁の奥の奥に精液を噴出させた。
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