Pets!16


元親と舌を絡ませ合い、錠で繋がれた手の指先も絡ませて、しばらく精悍な身体にしな垂れかかっていたみつきは満足げに鼻を鳴らし、ジッと左頬に注がれ続けている視線にようやっと気を向けて身を起こした。

「元親、それではまた後で遊びましょう?」

笑いかけるみつきにケッとそっぽを向いた元親だが、その頬はうっすらと赤く染まり、むず痒そうに緩んでいる。
そんな顔を見せられたらまた構いたくて止まらなくなってしまう、とみつきは後ろ髪を引かれながらも元親の隣でずっと正座をしたまま姿勢を崩さない、熱い視線の主である幸村に視線を移し、そうしてピタリと固まった。



「・・・幸村、ごめんなさいね」

むぅむぅと唸る幸村の顔は真っ赤に染まっていた。
両手首を頭上に掲げられ、それでもピシリと背筋を伸ばして正座をしている。
しかしその足の間、小さなビキニパンツからは大きく勃起したペニスがはみ出して、いくつにも割れた腹筋に張り付いていた。
臍の周りがぬらぬらと濡れているのは漏れ溢れた先走りのせいだろう。

「こんなに我慢させているのに気付かないで・・・可哀想に・・・。私、幸村のご主人様失格です・・・」

見目の良い外見に反して、幸村は随分と奥手のようだった。
後孔を痛い程に広げてくれそうな太く長い幹に、奥に溜まった淫液まで掻き出してくれそうな傘の広がった亀頭はまさにみつきの好みのど真ん中だが、あまり使っていないのだろう、随分と淡い色をしていた。
ゴツゴツと浮いた血管の筋も青白くまるで子どものペニスのようだが、そんな色のペニスを勃起させ、黒いビキニパンツからはみ出させている姿はたまらなく魅力的だ。
その姿には興奮するし、顔を真っ赤にさせてかわいらしい、と少々煽る気持ちがあったのも確かだが、ここまで勃起をしてしまったら痛いだろう、かわいそうに、とみつきは過敏になっているペニスには触れず、ブルブルと震えている肩を労わる様にそっと撫でる。
途端にビクリ、と全身を震わせ、鼻息荒く首を横に振る幸村をみつきはそっと抱きしめた。

「でも、幸村は我慢ができていい子です。私を見て、こんなに興奮してくれたのでしょう?」

手触りの良い長い後毛が本物の犬の尻尾のようだ。
それに手櫛をかけながらまだ少し少年らしさの残った頬を撫でると、まん丸に見開かれていた瞳にうるり、と薄い涙の膜が張る。

「幸村、口のガムテープ・・・布を剥がしますが、先程のように『はれんちぃ』って、声を上げてはいけませんよ?ふふ、私、またびっくりして倒れてしまいますから」

小太郎が貼り付けたガムテープに手をかけると、再びむぅむぅと唸り始める幸村に、みつきはメッ!と指先で額をはじく。
そうして勢いよくビッと音を立ててガムテープは剥がされ、幸村の真っ赤に腫れた唇は久しぶりに大きく息をつくことが出来た。
大きく息を吸い、吐き、幸村は身体の内側で渦を巻く訳の分からない熱を逃がそうとするが、呼吸をする度に間近にいるみつきの匂いを吸い込み、頭の奥がジィン、と痺れるような感覚に陥ってしまう。

「っ、は、っ、う、うぅ、お、俺は、いや、そ、某は、ッ、みつきど・・・、ン?!・・・うぶっ?!」
「ン・・・っぷ、は、もう、幸村、声を上げてはダメって言ったでしょう・・・?」

もつれる舌で目の前のみつきの名を呼べば、感じたことのない柔らかな何かが唇を覆った。
瞬間、びりびりとした腰の疼くような刺激を感じ、幸村は声を止める。
ぬるり、とその柔らかい熱が腫れた唇を辿り、戦慄いた唇の端から垂れる唾液を吸い取っていく。
これは何が、これは一体、と見開いた視界のすぐそば、睫毛が触れ合う程近くにゆったりと微笑むみつきの瞳があった。
- 16 -
[*前] | [次#]
ページ:

トップに戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -