Pets!8


幸村の大声で目を白黒させていたみつきを部屋に運び、手厚く介抱しながらも松永は楽しげに三人を紹介してやった。
三人の事を客を見る目で見ていたみつきは松永の説明を聞くに従って、その瞳を大きくさせたり、不思議そうに瞬かせたりして、最終的には花が綻ぶようにふわっとした笑みを浮かべた。
その間に佐助達は風魔によって着々と手首の鎖を壁に繋がれ、両腕を万歳にした格好で床に腰を下ろしそんな彼らをジッと見つめる。
昨夜用意された部屋以上に広い部屋のど真ん中、どでん、と存在を主張するキングサイズのベッドが嫌でも佐助の目に入る。

見た事のない形をした寝床だが、それが立派な物だとは理解できる。
しかし、なんであんなにもでかいのか。
あの少年の匂いが充満するこの部屋は、きっとあの子の物なのだろう。そうしたらあの小さな体にあの寝床はでか過ぎやしないか。
・・・いや、まぁきっとただ寝る為だけの寝床ではないのだろうけれども・・・。と先ほどの松永の言葉と自分達の格好を思い出し、げんなりとした顔をベッドから背けると隣の幸村へと視線を移した。
先ほどの大絶叫を警戒されて、一人だけまたあの茶色い紙を口元にべったりとはられてはいるものの、呼吸も出来ているし顔色も悪くはない・・・いや、なにやら頬が紅潮していないか?と幸村の体調を伺うように、佐助は小さく「旦那、大丈夫?」と声をかける。

「ふふ、それではこの方達は私のペットなのですね?ありがとうございます、叔父様」

佐助が幸村に声をかけると同時に、嬉しげな声で感謝を伝えてみつきは柔らかい笑みを浮かべた。
それを瞬きもせずに見つめていた幸村は、今度こそぶわわわっと顔から首筋までを赤く染め、背筋をピンと伸ばし恥ずかしげに正座をした膝を擦り合わせ始めた。
視界に入れないようにした足の付け根、下着からはみ出た赤黒い一物がひくりと戦慄いたのは気のせいにしても、これは体調不良じゃないのではないか・・・?!
色恋沙汰におぼこいはずの幸村のそんな姿に佐助はギョッと目を剥き「え・・・旦那、この状況で何照れてんの?あの子、男の子だぜ?!」と声を上げるが、しかし幸村は塞がれた唇の奥から、ぬぬぬ・・・、ぐぐぐ!、・・・むむむ、と要領を得ない呟きを返し、もじもじと身を揺する。
確かに、あの子は少年と言えども目を惹く可愛らしさと不思議な色気がある。
これが普通の出会いだったならば一晩くらいはその恋を応援してみようか、という気にもなるが、この両手を拘束され、首に縄を付けられた状態でよくもまぁそんな気分になるものだ、と佐助は回復したはずの目眩を再び感じてがっくりと肩を落とした。
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