………何でこんなことになっているのかしら。


それもそのはず、平門はずっと彼女の頭を撫でているからだ。急な用事があるはずなのに。

急に頼みたいことができたから、至急俺の部屋に来てくれ。


そう言われ、早足で彼の部屋まで行くと彼は口の端を上げながら、待っていたよと言いながらもツクモの頭まで手を置きそれを動かす。そんな状況に飲み込めずに気づいたら数分過ぎていた。我慢できずにツクモは訴える。


「ひ、平門、重要な仕事って………」

そこまで言うと彼の長細い人差し指が私の口を封じる。


「今お前がこなしてるじゃないか。」


(……………………どういうことなの?)


唇を動かせないため、心の中でふと思う。それにも関わらず、撫でるのを再開する。先程より優しい手つきで撫でられている、そう感じた。




貴方だけの癒し係
(もしかして………いや、それはないか。)

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