今日は平門とお出掛け。……謂わばデートである。着ていく服もこの日のために買った。いつものツクモが着ないような紫がベースのワンピース。裾などに黒のレースが付いて、胸元、背中が開いている。


髪は二つに結んでいたのをほどき、靴はハイヒール。

(色々頑張ったけど、やっぱり変かな……。)

今更どっと不安が押し寄せる。しかし不安になる時間も少ない。もうまもなく平門が迎えに来るからだ。

(うぅ……初めてのショーとおんなじくらい緊張する………。)


早くなる心臓を押さえるながら平門を待つ。



コンコン


(!!来た……)

ドキドキしながらドアを開ける。

「おはよう、ツクモ。それではいこう、か」

ツクモを見た瞬間、ピタッと止まったかのように動かなかった。

「??」

ツクモはその変化に気づき、戸惑いながら聞く。
「…どうしたの?…ひ…」

「………。」


ドサッ


視点が反転する。一瞬何が起きたのか分からなかった。背中に感じる床、半開きのツクモの部屋のドア、いつもより近い平門の顔。
そこまで考えて、平門に押し倒されたとのだと理解した時には身体が熱くなった。

「ひら……と?」

「服………。」

「え?」

「いつものお前だったらこんなの着ないだろう?」

どうやらどうしてこんな服を着ているらしいと聞きたいらしい。


「……平門が大人だから…だから私も平門と隣にいてもおかしくないようにって……んっ」


唐突にキスされる。喋っている途中で口が開いていて意図も簡単に口内に侵入してきた。


「…ん…あっ…う、ん」
「……はっ…」

離してくれた時にはツクモは息が上がり、肩を上下させる。

「嬉しいよ…ツクモ。しかしね。」

「……?」

「そんな姿街にいる他の奴らに見せたくない。俺としてはね。」

そう言い、頬に口付ける。

平門は一旦身体を起こしツクモの部屋のドアを閉め、鍵をかけた。

すっかり骨抜きになっているツクモの体を抱き上げる。

たどり着いたのは彼女のベッド。

優しくツクモをベッドに沈める。
平門はツクモに覆い被った。

「ひっ平門……」

「ん?」

呑気にツクモの頬を撫でる

「デートは?行かないの……?」

「また今度。せっかくお前が俺のために着てくれたんだ、たっぷり可愛がらなくては勿体ないだろ。」

そう言い、平門はまたツクモの唇に深く口付けた。


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