「……まったく、いつまでイチャついてんのー?あの二人。」

「春歌の照れ顔は実に良いが、あの無口許さんぞぉ!!!」

その頃控え室の外ではそれぞれのやることが終わった鳳とナギの姿が。
途中からだがドアの隙間からその状況を見ていたのである。


「しかし綺羅のヤツ、何時から彼女が好きだったんだ?」

「それね。綺羅は何を考えてるか分からないからね。……あっ頭撫でてる。」

見ると綺羅が春歌の頭を撫でている。完全に二人だけの世界になっていた。

「もう……もう……許さんぞぉぉぉぉ!!!」


「えっちょっと瑛一!!………遅かったか。」


ガチャ!!


「キャッ!……鳳さん!?」

「……………チッ」


驚いたからか春歌はすぐに綺羅から離れる。それが気に入らなかったのか、邪魔が入ったことに苛ついているのか、機嫌が悪い。それにも構わず瑛一は続ける。


「春歌よ!今からでも遅くない!!この鳳瑛一にしないか!?」


「えっ……ええええ!?」


(瑛一……出来立てホヤホヤのカップルの彼女を普通、口説く?……まぁ、仕方ないっか。狙ってたもんね。彼女。)

当然のことながらいきなりの愛の告白に戸惑う春歌。

「えっ……あの、ごめんなさい!!」

それを聞いた瑛一はガーンと言う効果音が聞こえてくるんじゃないかというほど硬直した。

「ごめんなさいってそんなはっきりと……」


「えっ……あの……」


「………フッ。」


(綺羅……鼻で…笑ってるし…)


そんな三人のやり取りにナギは溜め息をつくしかなかった。

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