ちりん、ちりん。 風に吹かれ、風鈴が涼しげな音がなる。 「…………んっ…」 「あっ気がつきましたか?真斗さん。」 眉間に皺を寄せ、薄く目を開く。目の前にはこちらを見下ろすハル、そして後頭部に感じる柔らかい感触。どうやら膝枕されているらしい。 「すまん、すぐ退く。」 体を起こそうとすると、あっ、まだ寝てて下さいと押し返す。 「真斗さん、疲れています。まだ寝てた方がいいです。」 「し、しかし…」 「それに………真斗さんの寝顔を見ていたいんです。」 暗くてがハルの頬が桜色に染まっているのが分かる。 「では、少しだけ……」 風鈴の音を感じながら、俺は再び目を閉じた。ふわっと頭を撫でられた気がした。 |