静寂な空間の中、ペンを走らせる音が響く。 大学に入ってから何週間経った今日この頃。あの波乱な高校生活が嘘のように平穏に大学生をしている。逆に高校生活から変わらないことと言えば ぎゅっ 「…………。」 「…どうしたの?樹。」 樹と恋人であり、例の事件が終わった今でも樹の自宅で同居していることぐらいだ。 ソファーで作業をしていたため、意図も簡単に後ろから抱き締められた。 (構ってあげなかったから拗ねたのかな?) 真横に見える赤毛を撫でるふわふわと柔らかい。 「………。」 すると後ろから抱き締めていた腕を強まる。顔を首筋に埋め、舐める。 「っひゃ!な、何するのよ!」 「…っせーな、やりたいからやってるんだよ。」 そう言うと、耳朶を甘噛みをする。逃れようとするが腕で固定され、動けない。 「ちょっ、…と。レポート書いているんだけど。」 「いいじゃねーか。後で、書けば。」 言い訳は聞かないとでも言うように、口を塞がれる。 ふぅ…仕方ないか 私はそう思い、樹の口付けに受け答えた。 |