一人部屋で酒をたしなんでいると

微かにドアを叩く音が聞こえた。


「何だ?」


そう答えると恐る恐るドアが開いた。


「平門……。」


「ん?どうしたツクモ。」


そこには部下であるツクモの姿があった。何かあったのか困った表情をしていた。


「もう寝るところだった?」


「いや、もう暫く酒を楽しむつもりだ。」


コトッとグラスをテーブルに置く。


「も、もし迷惑じゃなかったら」


俯きながら喋っているため表情が読み取れない。

「暫く話し相手になってくれない?」


「………もしかしてお前」


俯く彼女の肩が震える、ドアの近くにいる彼女を指差しながら


「與儀たちとホラー映画でも見ただろう。」

こくりと頷く。耳まで真っ赤になっている。



普段逞しく能力人や能力躯を倒すツクモだが、フィクションのホラー映画が苦手だ。



「與儀に只の映画だよ。って言われたから観たけど……ゾンビが家を襲ったり地球を支配しようとしたり……。それに虫がでかくなってて……。」


「………。」


取り敢えずアイツは明日懲らしめるか。


「まぁ、こっちに座りなさい。」


ブルブル震える彼女を空いている椅子へ導く。
ゆっくりと歩きぽすんと椅子に腰掛けた。
新しいグラスに水を注ぐ。


「まぁ俺もお前も明日は暇だからな。」


いくらでも話し相手になるよ。


その言葉を聞いて安心したのかツクモはありがとう、平門。といい水の入ったグラスに口をつけた。



「希望なら添い寝もしてやるぞ。」


「結構よ。」




翌朝椅子に座ったままで寝ている二人が見つかったとか。

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