7月7日――織姫と彦星が一年に一回会える日
短冊に願い事を書き、葉竹に飾ると、願いが叶うと言われる日。
来須より短冊をいち早く書き終えた春歌はベランダに出て短冊を飾ろうと外に出ると眉を下げ、呟く。



「あぁ……まだ雲っていますね。」


「げっ!マジかよ!」



やっと短冊を書き終えたらしい来須がひょこっと窓から顔を出す。


「昼間は晴れていたのにな……。」


「そうですね………。」


二人揃って肩を落とす。昼間は暑いくらいに太陽が日光を注いでくれたが、夕方頃に急に雨が降りそこからは本来青が広がる空には雲が覆い続けた。


「まぁ、いい。短冊飾ろうぜ。」


「え?でも晴れなきゃ意味がないんじゃ……。」

「確かにそうかもしんねーけど、折角書いたんだから、さ。」


な? と大きな瞳と目が合う。


「………そうですね。」

飾りましょうか。と葉竹に手をかけた時、


「なぁ春歌は何を書いたんだ?」


「!!な、内緒です。」


バッと短冊を後ろに隠す、ふーんと特に追及するわけなく直ぐに引き下がる。



まぁでも、何となく分かる気がするけどな。



ニッと笑う来須に顔を赤る。短冊が風でピラピラと捲れた。



ずっと翔くんと一緒に居られますように 春歌



翌日、春歌の短冊の端っこに小さく『当たり前だろ』と書いてあった。

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