※黄瀬独白


放課後、白い紙と便箋を机に出す。貰うことは何回かあったが、いざ自分が書くとなるとシャープペンを持つ手が震える。

桃っちへ 震える手を動かし言葉を紙に残す。それを始めに次々とシャープペンを走らせる。


ぴたっ と走らせるシャープペンを止める。


桃っちのことが


後はこの思いを書くだけなのに。何故か手が動かない。


その時、窓から笑い声が聞こえた。聞きなれた愛しい声。窓からそっと覗くと、 桃色 と 水色 の頭が見えた。


俺は何も言わずに今まで書いていた文章を消しゴムで消し、紙飛行機にして空の彼方に飛ばした。


この想いが
  紙飛行機で

(届いたらいいのに)


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