「うーっもう勉強したくないッス」

「えぇー!ほら、頑張って。」


今私たちは図書館で勉強している。定期テスト1週間前、きーちゃんにテスト勉強に付き合って欲しいと言われたからだ。


『前に赤司っちや緑間っち、紫原っちに頼んで酷い目にあったんッス…それに黒子っちには断られ、青峰っちは…その』


うん、言いたい事は分かったから言わなくていいよ。


『頼れるの桃っちしか居ないんッス。お願いッス』
このとおり!

土下座してしまいそうな勢いで背中を90度に曲げる姿は思わず笑ってしまう。


赤司くんやみどりんみたいに上手く教えられないけど、いいよ。


私がそう答えると深く曲げていた背中を起こし、 本当ッスか? と聞いてくる。

私は頷くと、きーちゃんはありがとうッス、桃っち大好き!と抱きついてきた。苦しかったなぁ。

そして冒頭に至ると言うわけである。しかしきーちゃんがやる気なかったら意味ないしなぁ。あっ、そうだ!


「きーちゃん、何か欲しいものある?」

「へ?いきなりどうしたッスか、桃っち。」


まぁ普通はそう思うよね。私は思いついた 案 を提案しようと言葉を続ける。

「あのね、何か褒美があったらきーちゃんがやる気になってくれるかなと思って!で、どう?」

「うーん、特に欲しいものはないッスねー」

「そっか…」

そっかぁそうだよね。きーちゃんはモデルだから欲しいものは買えるもんね…うーん、良いアイディアだと思ったんだけどな…。


「あっでも」

「え?」

「これ欲しいものに入るか分からないッスけど。」

「えっ何々!?」

「桃っちと二人で遊びに行きたいッス。」


てっきり新作のお菓子とかかな?と思ったが違った。ふぇ?私とお出掛け?


「私は良いけどいいの?キセキの世代で出掛けたいんじゃ………。」


「いいんス!俺は桃っちと出掛けたいんス。…駄目ッスか?」


「まさか!最初にきーちゃんの欲しいものを聞いたのは私だし、全然いいよ。」


「本当ッスか!?」

大声でそう言うもんだから私は思わず口元に人差し指を置き、しーと言うと、あっごめん。と声のボリュームを落としてくれた。

「よーし、頑張るッスよ!」


小さな声で意気込みを言うきーちゃんを横目で見ながら私は問題の解くのを再開した。

きーちゃんのやる気スイッチ



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