恋人になってから平門は色々なキスをしてくれた。触れるだけのキス、激しいキス、長いキス……。しかしそれらは全て彼からしてくれたもの。事実私からキスをしたことがない……。
だから、

ちゅっ

「‥‥‥。」

「ツクモ‥‥お前‥。」

今日、初めのキスは自分からしてみる。キスと言っても一瞬触れる位が限界で、平門がする…その…あーゆうのはできないけど…。


平門も少しの間驚きで目を見開いていたが、すぐにいつもの胡散臭い余裕な表情に戻った。

「珍しく積極的だな、でもな」


くいっと顎を上に向かされ、紫の瞳に私が映る。キスされる と目を閉じると間もなく唇に柔らかい感触が。直ぐに咥内に割り込み、舌で器用に私の咥内を犯す。

唇が解放された時には呼吸が上がり、必死に酸素を肺に取り込む。

そんな私を見て満足したのか、平門はニヤッと笑い、

「欲を言えば、こういうキスもしてほしいよ。」
私の濡れた唇に触れながら言う。


ダメかな?


……頑張ります。

俯きながら返すと 楽しみにしてるよ と言い笑いながら頭を撫でてきた。

誰かお願いです、あの余裕そうな顔を崩して下さい。


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テーマ「人外ファンタジー」
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