「……喰くん?」 控え室へ忘れ物をしてしまい、取りに行こうとしたら何故か喰くんがうつ伏せて寝ていた。実に気持ちよさそうに寝ている。 (あっ……頭にゴミついてる) 気になる………。 とってあげたい……。 (起こすのは可哀想だからそーっと取ろう。) そう決心し、起こさないように近づき、手を喰の頭へ伸ばす。 (よし、とれた。) 喰から離れようとすると――― ガシッ いきなり手を捕まれた。 「ツクモちゃん、何をしているの?」 (え?) うつ伏せた顔起き上がらせ、喰は聞く。 金色の瞳は怪しく光る。 「喰くん、いつから……」 「寝てたのは事実。起きたのは……ツクモちゃんが僕の頭に触れた時ぐらいかな。それより」 立ち上がりながら、掴んだツクモの手を握る。 「僕に何をしたの?もしかして僕の寝顔を見てたとか?」 「え、えと」 ここは素直に 頭についていたゴミをとってました と言うべきだったが何故この時言葉が浮かばなかった。 「ねぇ………ツクモちゃん。」 「!!」 ぐいっと顔を近づける。ツクモは困惑していた。 (どうしよう……) 喰の顔がさらに近づこうとしたその時、 「じーき?あなた何をしてるのかしら??」 「うわっイヴァさん!いつの間に。」 喰の後ろにイヴァがいた。イヴァは喰の胸ぐらを持ち上げ、 「たまたま通り過ぎたら、何処かの馬鹿がふざけた真似してるから懲らしめようと思ったのよ。さぁ!覚悟しなさい!!」 「えっ、ちょっとイヴァさ……げふっ!」 イヴァは床に叩き付け、その上から何度も踏む。 部屋には次々と発する奇声が響き続いたんだとか。 (うぅもう許して下さいよ……ぐはぁっ) (こんなんで私の怒りが収まる訳ないでしょ。あんたは大人しく踏まれてなさい!!) (………ごめんね喰くん) |