蜂蜜story | ナノ

最高の誕生日(鈴)

今日は待ちに待った単独ライブの日
しかも今日のライブはいつもと少し違うどきどきもある
今回はなんとロザージュさんが司会進行を務めてくれるのだ
単独ライブの提案をされたのが今から丁度1ヶ月位前、いつも頑張っているご褒美だと優しく頭を撫でられながら単独ライブの事を伝えてくれた
その時のロザージュさんはまるで姉のようでどこか懐かしく胸の中がぽかぽかして幸せな気持ちになった

でもそう思ったのも束の間、ロザージュさんの目を見るとプロデュース魂がこれから忙しくなりますわよっと言っているようで思わず笑ってしまった
その想い通りこの1ヶ月は本当にあっという間に過ぎてしまった

これまでの事を思い返していると何度も扉を行き交う影が見えた
優しいロザージュさんの事だからきっと私に気を使って入るか悩んでいるのだろう、そう思い彼女をリハーサル室の中に呼び入れた

「ロザージュさんっ、リハ終わりましたよ!」
「あら、お疲れ様ですわ。鈴さん、ばっちりですの?」
「勿論ですよー!衣装もとっても可愛いですし頑張っちゃいます!!」


その場で軽くぴょんと跳ね、ロザージュさんに今日は頑張りますっと意気込みを表すためガッツポーズを作るとロザージュさんは優しく微笑んでくれた
その様子に安心して自分の体を見るとまだジャージ姿だった事に気が付く
リアルならば一度ロザージュさんに席を外してもらい着替えなければならないがここはサイバー基本的な事は操作1つで済んでしまう
本当に便利だなぁと感心しているとロザージュさんが顎に手を当てながら考えるように話した

「うーん、やはり鈴さんは何を着ても似合いますわ……でももう少しフリルの量を増やした方がよかったかしら……?」
「それも可愛いですね!でも、踊る時にちょっと邪魔になるかもです。」
「それもそうですわね。わたくし、あまり激しい踊りはしないもので……鈴さんの意見はいつも参考になりますの。」

ロザージュさんの提案はとても魅力的であったが、彼女とは違い跳んだりする動作が多いためスカートにフリルが多いと思うように動けない時がある
ロザージュさんもその事を理解してくれた様でうんうんと頷きながら衣装の最終チェックをしてくれた
その視線は真剣で相変わらず綺麗な立ち振舞いだと感心してしまった
しばらくすると開始10分前のアナウンスが聞こえた
いよいよ本番、今日はいつもより頑張ろう!と心の中で意気込んでいるとロザージュさんが優しく手を差し出してくれた
その手を握りながら舞台袖まで向かう
いつでも舞台袖からステージへ踏み出す瞬間は緊張のどきどきと高揚感のわくわくがいっぱいになる

「鈴さん。お誕生日おめでとうございますわ。さあっ、全力で輝いてきてくださいませ!」

突然軽く背中を押され誕生日のフレーズが頭に残る
そういえば、今日は3月17日
単独ライブで頭がいっぱいで自分の誕生日だということをすっかり忘れてしまっていた
ロザージュさんに祝ってもらえた嬉しさとこれが誕生日プレゼントだということ知り思わずジーンと熱くなってしまった
この嬉しさは今日のライブで存分に表したい
ロザージュさんの声と共に勢いよく跳び出す
ロザージュさんは特等席で見ていてくださいね

鈴は大きく息を吸ってこれから始まるライブに胸を踊らせた


◎おぼろさん宅ロザージュさんお借りしました



16.3.17.Thu 22:50(0)

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