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ごったけ(ビスコッティへ捧ぐ)


竹谷が気を失ってから起きるまでの話

どさり、と倒れた八左ヱ門に、兵助は頭が真っ白になった。それでも明確な殺意を持って近づく気配を無視することはできず、後方から迫っていた敵に応戦する。
「兵助!」
名を呼ぶ声にハッとして、飛び退ると、敵の後ろから近づいていた勘右衛門がそいつを昏倒させた。
ドッと後ろで鈍い音がして振り返ると雷蔵が八左ヱ門を倒した相手を沈めたところだった。
ヒュッっと音がして三郎もそこに降り立つ。
「勘ちゃん、雷蔵三郎、ハチが……!」
「兵助、落ち着け。勘右衛門は集合場所に行って先生方に連絡、雷蔵はすまないがハチを抱えてくれるか? 兵助、お前は雷蔵の前を学園まで先導しろ。私は先に学園に行って保健室に話をつけてくる。いいな?」
「まかせて」「わかった」「あぁ」
そうして四人は散り散りになった。



忍術学園 保健室
「失礼します」
ガラッと戸を開けると同時に保健室に入ってきたのは、鉢屋三郎だった。
「珍しいね、君が来るなんて」
その日夜番であった伊作は入ってきた人物を認めてそう言った。
「いえ、けが人は私じゃないんです。八左ヱ門が実習中に背をど突かれて気を失ったみたいで……」
「なんだって! それで、竹谷は?」
「今、雷蔵と兵助がハチを連れてこちらへ向かってます」
「わかった、治療の準備をするよ。少し手伝ってくれ」
「わかりました」
……………
………
……



竹谷が保健室に連れてこられて治療が終わった後、竹谷の傷は体したものではなかったが、四人はそれぞれに竹谷の周りに集まってそわそわと落ち着かない様子だった。
しかし四人もの上級生が保健室にいられては緊急の時に迷惑だ。しょうがない。
「はいはい、君たちも一旦長屋に帰りなさい。こんなに人がいても保健室はそんなに広くないからね。竹谷が目を覚ましたら呼んであげるから」
そう言って四人を追い出した。しゅんとうなだれてトボトボと帰っていく彼らに胸が痛んだけれど、しょうがないからね。
「竹谷は、いい友達を持ったねぇ」
ひとりごちて、戸を閉めた。







やまなしおちなしいみなし!さーせん!
何か色々足りないところは脳内補完で!
あ、五年の面々はちょうど保健室に来てた食満先輩が呼びに行きました。どうでもいいね!

20120928.





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