Boy's Side -Day3- 06 光のプレーン、二回目の夜。この日もソルトは眠ることができなかった。 こんにゃく様の話を聞いてから思うことがあり、ずっと考え続けている。考えてもモヤモヤが広がるだけで、すっきりとした答えは出ない。 ソルトは後頭部をかき回すと、外に出るためベッドを降りた。 カシスが寝ているベッドの布団は規則正しく動いている。それを横目に見ながら通りすぎたソルトは、不意に腕を捕まれ、抵抗する間もなく引っ張られた。 「!?」 「…どこ行くんだよ?」 「な、」 カシスは起きていた。 カシスに引っ張られたソルトはベッドに沈み、起き上がれないように押さえられているため動けない。 「てめっ…!放せよ!」 「お前昨日も寝てなかっただろ。つーかコテージでもあんま寝てなかったし」 バレていたことにぐっと言い淀んだが、お前には関係ないと抵抗を強める。 「倒れたらどうすんだよ」 「そんな柔じゃねぇ!」 「言っとくけど、お前が寝るまで放さないからな」 「ふざけんな!」 「良いから、寝とけ!…シュガーの心配する前にお前が弱ってたらどうしようもねぇだろ」 より強く押さえ込まれ、いっそ魔法を使ってやろうかと構えたソルトだったが、後に付け加えられた言葉にピタリを抵抗を止めた。 シュガーの心配。…本当は要らないのかもしれない。考えていたのはそれだった。 いきなり静かになったソルトに疑問を抱きながら、カシスは続ける。 「こんにゃく様も言ってたけど、昨日トルーナ村にいたなら明日辺り合流出来るだろ」 「……合流はしない」 「………なんでだよ?」 いつもならばお前には関係ないと言い切って言わなかっただろう。けれどソルトは自分が思っているより弱っていた。誰に言ってるのか、何故こんなことを他人に聞いてもらってるのか。考えすぎたせいか、ただ寝不足のせいなのか。ぼやけた頭で、ただ聞かれるがままぽつりぽつりと口に出した。 CreationDate:2015.06.01 [ 6/7 ] [ 77/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |