Boy's Side -Day3- 04

「どこ行きやがったんだ」

「あー見つかんねー」

町の中を隅々まで探したはずだが、ドワーフとショコラを発見することはできなかった。ソルトは苛立ちを道行く邪魔をしてくるモンスターにぶちまけ、カシスはそれを離れたところから見ながら髪をかき回す。

朝から始まった探索も、気付けば太陽は顔を隠していた。

「……もしかしたら、塔の中に入ったのかもしれないな…」

「……明日、あいつらが町を出るとこを捕まえるしかなさそうだな…」





「どうした?見付からなかったのか?」

宿屋に帰ると、店主のピップルスが話しかけてきた。隅々まで探したんだけどと溜め息をつく二人を心配そうに見ていたピップルスは、そうだ!と声を上げて提案する。

「前も言ったけど、門番が知り合いがいるんだ。ドワーフとマッドマンが出るのを見かけたらすぐに伝えてくれるように頼んでやるよ」

「いいのか?」

「ああ!」

胸を張ったピップルスだが、ただ、と言葉を濁した。

「ただ?」

「隣の部屋にこんにゃく様が泊まってるんだが…。意気消沈しててな…。だれかに愚痴でも聞いて貰ったらちょっとは気が晴れるんじゃないかと思ってさ。よかったら励ましてやってくんねぇか?」

それくらいなら。とカシスは面倒臭げなソルトを連れて、早速こんにゃく様が泊まっているらしい部屋の扉をノックして入る。


「ハァ…急いでいるのに毎回毎回足止めをくらうでぺたん…」

ベッドに腰をかけていたこんにゃく様は肩を落としていた。









CreationDate:2015.05.25




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