Boy's Side -Day3- 02

「なあ、ちょっと聞きたいんだけど、ここら辺でドワーフとマッドマン見なかったか?」

「うーん、どうだったかなぁ」

カシスはそのピップルスが見ていただろうことを察していた。商売人特有の、買ってくれないと教えないというフリである。
そして店の棚に目を通し、宿屋だけでなく、店までもが硬貨ではないカエルグミでの取引だということに気付く。

「この町の通貨は全部カエルグミなのか?」

「…ピップルスタウンはコインの取引は禁止だ。特に、金貨や銀貨の売買はお縄になるぜ」

「へぇ」

徹底してるなと感心するカシスに、ピップルスは得意気に話を続けた。

「この奥にラ・ロッシュの塔ってのがあるんだ。他のピップルスを脅して、金貨や銀貨を自分たちだけで取り扱ってる。……内緒だぜ」

「あの塔か…」

もしドワーフがあの塔に入ってしまっていたら、全部を調べるのは大変な作業だ。

「お?興味があるのか?だが、残念だな。部外者は絶対に入れてくんねぇんだ」

ということは、ショコラとドワーフはラ・ロッシュにはいないと思っていいだろう。

「どうしても入りたきゃ、捕まっちまうのが一番手っ取り早いけどな」

「ふーん、ところで、あれ貰えるか?」

「まいど!…そういやさっきの二人組の話だけど、西側に行ったのを思い出したぜ」

「サンキュー」

西側というとラ・ロッシュの塔の方向か。
カシスは他のピップルスと話していたソルトに声をかけた。









CreationDate:2015.05.23




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