Girl's Side -Day3- 17

「レモンはどうしたの!?アイツを追ってたハズよ!」

エニグマを三体全部倒した。ということは、それを追っていたレモンはどこにいるのか。逃げ切れていればいいが、もしも。気付いたブルーベリーは焦って訴え、一同はレモンを探しに部屋を出た。





「レモン!」
「レモンちゃん!!大丈夫ですの!?」

レモンは柱の影で倒れていた。慌てて駆け寄り、声をかける。

「ツゥ…ッ!油断した…。あのエニグマ〜!ブッ殺してやるッ!!」

少し気を失っていただけらしく、目が覚めてからの第一声に、いつも通りのレモンだという安堵でみんなに笑みが零れた。

「ウフフ…」

「フゥ〜。相変わらずコワイお姉さんだ」

みんなののんびりした空気と反応に不思議そうな顔をするレモンに、今までの事を説明する。

「エニグマはもういないわよ、レモン」

「いない?いないってことは…オマエたちでやったのか?」

「そーゆーことだっぴ。先を急ぐっぴ。カフェオレはどこに行ったっぴ?」

「裏門のドワーフたちが古代機械がどうのと言ってたから…その先に行ってみる必要があると思ってブルーベリーたちを迎えに来たんだ。そしたらエニグマと鉢合わせしてしまってこのザマさ。…しかし行くのはいいけど、これじゃ…人数が多すぎやしないか?」

「確かにあまり人数が多いと逆に危険だな」

「チームを分けて、一部は魔バスで待機しよう。あの中ならモンスターも襲って来ないし安全だ」

そう言いながらレモンはブルーベリーを見た。ブルーベリーは言われる言葉がわかったのか、顔をしかめながら口を開く。

「私、残るのはイヤよ。戦うわ」

「ブルーベリーちゃん…」

「ありがとう、いつも気を使ってもらって。でも私だけ残るのはイヤ。絶対にイヤ!」

「気持ちはわかるけど、身体は大丈夫なの?」

「心配しないでよ。大丈夫に決まって…うっく…!」

ブルーベリーは大丈夫に決まってると身体全体でアピールしようとしたが、やはりかなり体調が悪いのか膝を折ってしまう。それをレモンが支えた。

「ダメじゃん。ぺシュ、キルシュ、彼女を魔バスまで連れて行ってあげて」

「除け者にしないで!!私だってやれるわ!!」

「レモンちゃんはそんなつもりで言ったわけじゃないですの〜」

「どんなつもりか知らないけど…いつも私ひとりだけ置いて行かれるのはイヤ!!」

「やれやれだね。お嬢様」

振り払われた手をひらひらと振りながら呆れたように呟く。

「そんな言い方しないで!!確かに私…生まれつき身体は弱いけど、でも、そんなこと気にしないで普通に接して欲しいの!」

「できないよ…。特に今は酷い有り様だ。下手すりゃアンタを死なせることになる」

「私に、一生みんなから外れて生きて行けって言うの!?小さい頃からずっと、パパやママから、お前は長生きできないって言われてきたから、私、死ぬのなんて怖くないよ!長生きしたいなんて少しも思ってない!!ほんの少しの時間でもみんなと一緒にいたいの!!親友でしょ?レモン!」









CreationDate:2015.05.21




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