Girl's Side -Day3- 15 「エニグマは三体いるらしいな」 「あんなヤツが三体も…」 エニグマが三体という言葉に顔をしかめるブルーベリー。 「ブルーベリー、もしかしてここのエニグマを見たの〜!?」 「ええ、海岸に出たのとは、全然違うわ。私たちで三体を相手にしたらとても勝ち目はない…」 「レモンが一匹をマークしている今がチャンスってことか…。残りのヤツらを、一匹ずつさそい出せばなんとか…」 「ひっひっひっひっひ…」 キルシュの言葉を遮るように、気味の悪い笑い声が響いた。 「エニグマですの!!」 「ひっひっひっひ…。安心しな。殺しはしない。オレたちの宿主になってもらう。光のプレーンで自在に振る舞うためにはオマエたちが必要だ」 「い、い、い、イヤだっぴ!!!融合なんかしたくないっぴ!!オイラ、フサフサのしっぽもツヤツヤのおハナもお気に入りだっぴ!!エニグマなんかになりたくないっぴ!!」 「死を前にして同じことが言えるかな?くっくっくっく…」 「コイツかッ!!一匹ずつ叩きゃいいんだ!!行くぜ!!」 「ひっひっひっひ…ソイツが戦ってる間、オレは何をして待ってればいいんだい?」 現れたエニグマの影からまた一体増える。 「二匹だ〜!二匹もいる〜!」 「くっくっくっく…二匹とはな…虫のように呼んでもらって光栄だよ…」 いつの間にか宮殿にいた三体全てがこの場に揃っていた。三体に囲まれてしまえば手も足も出ない。 「ひあ〜〜〜!!オイラ融合したいっぴ!エニグマ様と融合して強くなりたいっぴ!!死にたくないっぴ!!」 ピスタチオはぶるぶると震え、エニグマは勝ちを確信したようにニンマリと笑う。ピスタチオの首根っこを掴んでいるシュガーが奇襲戦法で光を放とうかと考えた途端 「力に屈しちゃダメだーーーッ!!」 「ぬッ!?うごッ!ぷきゃぁぁッ!!」 大声と共に村長ワンドが投げられ、エニグマの一体に当たり、エニグマ共々消滅した。 「ムスコさん!」 「油断するな!!こっちは私たちに任せろま!!オマエたちはそっちをッ!!」 「くっくっくっくっ…闇に抗うなど…虫ケラのやること…」 「トルティーヤちゃん!!」 「みんな無事か!?」 「大丈夫。生きてるわ」 「ムスコさん…助かりやした…あっしら助かったっす!!」 「そう…エニグマが死んで…オレたちは助かった…」 「そうですともムスコさん!!あっしら助かったんだ!!村長ワンドはなくなったが…しかし、そんなモノ!!人の命に比べりゃ、屁みたいなモンだぁ!!」 エニグマを倒した、助かった喜びに一同ははしゃぐ。ただ、一人を除いて。 「助かったからなんだって言うんだ」 トルティーヤは押し殺すような低い声で呟いた。 CreationDate:2015.05.19 [ 15/20 ] [ 66/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |