Girl's Side -Day3- 12

「レモン!無事でよかった!」

「よう!シュガー!地獄へようこそ!」

「いや〜ん、レモン〜そんな挨拶止めてよ〜」

レーミッツ宮殿の庭先でレモンを発見したシュガーたちは駆け寄る。

「エニグマが彷徨いてる。しかもかなりの相手だ。ブルーベリーとぺシュが宮殿の中にいるんだが、不意を打たれるとマズイ。シュガー、私がエニグマを引きつけてる間に見てきてくれ……と、言いたいところだが、見失っちまった!畜生!逃げ果せると思うな!!」

そう言い捨ててレモンは宮殿の中に飛び込んでいった。

「ちょっとレモン!一人じゃ危ない……って全く聞いてない…」






「ぺシュのニオイがするっぴ!ブルーベリーもだっぴ!」

「ホント〜!?この中にいるの〜!?」

「ここまでだ!宮殿への立ち入りは許さん!!」

宮殿の中に入り、ピスタチオははっとしたように鼻をぴくりと動かし、声をあげる。ピスタチオに付いて宮殿を探索しようとしたところで、トルティーヤたちが止めに現れた。

「オマエたちのため言ってるのだ。エニグマの話は聞いているだろ?ソイツがこの中にいることがわかっているんだ。オマエたちでは危なすぎる。早々に立ち去るがいい」

「危険なんか承知の上だ」

「承知だと?オマエに何がわかるかッ!!この中にいるエニグマは恐らく三体。しかも手強い相手だ。簡単に倒せると思うなッ!」

「だけど、中から仲間のニオイがするっぴ!」

「不用意な…なぜわざわざ危険な場所へ…」

「ムスコさん…あっしらも、力を貸して、ともにエニグマを倒すのがいいのでは…?」

「しかし…」

「意地張るなよ。これだけ頭数が揃ってんだ。今がエニグマを倒すチャンスじゃないのか?」

タルトやタタン、キルシュの闘いを促すような言葉に、トルティーヤは拳を握りしめて俯く。

愛の大使である自分が、どうして。

「…倒す…。…誰も彼もが口を開けば倒すだの、殺すだの…なんて哀れな…。なぜ倒す必要がある…?ヤツらが何をした!?光に怯え、宮殿に引き籠っているだけの相手をッ…!」

さも、悪いのは、侵略しているのはこちらだとでも言うような言葉に、ピスタチオは飛び上がった。









CreationDate:2015.05.18




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