Day1.04

音楽室にいたメンバーはバスに乗るために廊下に出た。玄関に行くついで、教室でカベルネが机に顔を伏せているのを見つける。
みんなは顔を見合わせ教室に入った。その気配に気付いたのかカベルネは顔を上げ、逸らす。

「どうしたんだよカベルネ。兄貴の事思い出してたのか?」

「…ガナッシュの姉貴は学校を辞めた後も…時々、この教室に、俺の兄貴に会いに来てたんだヌ〜」

そうしてカベルネ語り始めた。





カベルネの兄のシャルドネがガナッシュの姉のヴァニラと話している。少し離れたところからカベルネが心配そうに二人の様子を窺っていた。

「今まで何処に行ってたの?皆心配してたよ?」

「心配?いったい誰が?するわけないでしょ?」

ヴァニラはシャドルネに背を向けて言い放つ。

「まだ怒ってるの?」

「怒るって、何を?貴方のお父さんの事?」
「…父に何を言われたの?」

「言われてはないわ。いつも感じていた事よ。私には、闇の精霊の血が流れてる。…私を嫌う人が沢山いるのは知っていたもの」

「君の敵になる奴は僕が全て倒す!世界が君の敵になるならぶち壊してやる!僕を信じて!」

何も信じていないような冷たい口調で言うヴァニラに、シャルドネは訴えかけた。

「心配は無用よ。私は私のやり方を見つけたの。私には、力があるの。今までみたいな、弱虫のヴァニラじゃないわ。さようなら、シャルドネ、カベルネ」

最後に二人を見て、教室を出る。

「ヴァニラ!!」

「あんな奴!!放っておけば良いヌ〜!!もう、忘れれば良いヌ〜!!」
「ヴァニラは普通じゃない!何かあったんだ!」

シャルドネはヴァニラの後を、

「何か!?何かって何だヌ〜!?」

カベルネはシャルドネの後を追いかけていった。





「もしかして〜…泣いてたの〜…?」
「そんな事無いヌ〜。ちょっと目にゴミが…」

「お兄さんの事思い出してたのね…」
「行こうぜ、カベルネ。海に行って何もかも忘れようぜ」
「バスの中でたっぷり話をしようよ」









CreationDate:2007.04.22
ModificationDate:2015.04.24




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