Girl's Side -Day3- 06

「…なぜだ、ミルフィーユ…!なぜ、殺されるとわかって帰ってくるんだ!」

遺跡の影に隠れトルーナ村に帰るミルフィーユを見送ったティラミスは、戸惑いを隠せなかった。

「心があるからさ」

「なんだとぉッ!?」

ガナッシュがティラミスの前に現れる。

「オマエはッ!?一人で先に行ったんじゃッ!?」

「戻って来ちゃ悪いか?」

「オレを止める気か…!」

「ミルフィーユがもどってきて嬉しいかい?それだけ聞いておこうと思ってね…」

「オマエには関係無い。これ以上口出しするな!」

「ミルフィーユをどうする気だ?」

「オレの村でオレが何をしようがオマエには関係無い!!ヤツがノコノコ帰って来た以上オレは…!オレは…!!」

ティラミスは葛藤していた。言い様のない感情が胸を支配する。

「…アンタはクズだ」

「オレがクズだって?ハッ!クズで結構!笑ってくれ!指さして笑ってくれ!」

「アンタがミルフィーユを殺す気なら、俺はアンタの息の根を止める。どうするかは自分で決めな」

「バカなボウヤだ…。オレのことを笑ったヤツは…みんな死んだ…」

その大事な感情に気付かぬふりをしたティラミスは、ガナッシュを排除しようとスラッシュをコールする。ガナッシュは落胆した様子でニルヴァを呼んだ。

「こんな決着しかつけられないなんて…終わりだ、ティラミス。弟に会わせてやる」






一同の待つトルーナ村に帰って来たティラミスはボロボロだった。

「しっかりして!!ティラミス!!どうしたの!?いったい、どこでこんなヒドいケガをッ…!?」

「どうしたんだ!!なんだ、この傷は!!」

「へへッ…しくじっちまった…。遺跡から足をすべらせ…落ち…ウグッ…!!」

「こんな傷…見たことない…遺跡から落ちた傷じゃないわ…」

「まるで、自分でかきむしってひろげたようなキズだっぴ…」

「早く、オレのハートを取り出して…弟に…」

「もうしゃべらないで!!早く手当てしなきゃ!!」

ティラミスはハートの存在を信じきっていた。ティラミスの言うハート、つまり感情など、誰のものも変わりにすることなんてできはしないというのに。

「弟を……キミに会わせたい……早く……オレのハートを…弟に…たの…む…」

「ティラミス!!死んじゃダメ!!ハートなんてないのよ!!取り出せないものなの!!」

「ミルフィーユ…うれしい…キミがいて…キミに会えて…オレの…気持ち…ハート…弟に…」


「ティラミスッ!!!死んじゃだめッ!!!もう誰も死なないで!!!誰も死んじゃダメーーーッ!! 」

ティラミスは息絶え、ミルフィーユはただのパペットになってしまったそれにしがみついて泣く。
拳を固く握り締めたシュガーは、彼らを二人きりにさせてあげようとそっと三人を外に連れ出した。









CreationDate:2015.05.15




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