Girl's Side -Day3- 05

「もうパペットどうしで争うのはイヤ。私のハートが欲しいならあなたにあげるわ。でも、それっきりにしてッ!」

「ミルフィーユ!ダメだっぴ!それって、スゴいことだっぴ!」

「そうだ、ミルフィーユ!オレたちが証人になる。ソイツを村長の前に突き出せ!」

「……。そんなこと、できない…」

「できないって…どうして〜どうしてなのよ〜?」

「彼を村の男たちに差し出して、わたしは彼が、村の人たちから石を投げられたりられたりする姿を見なければいけないの?」

「しょうがないよ。それがルールなんだ」

「そんなルールなんてウソ!悲しくなるのはイヤ!悲しい気持ちばかり心につめこんで生きていくのはイヤ!!」

「…ミルフィーユ…宿屋で待つ…オマエは必ず来る…信じてる」

「逃げる気だっぴ!!」

「ほっとけ!それよりも、ミルフィーユ!いっしょに行こう」

「そうだよ〜!もどると殺されちゃうよ〜」

「ありがとう。優しいんですね。でも、私は村長の孫です。村を守らなければいけないの。さようなら!」

先に行ったティラミスの後を追ってミルフィーユがトルーナ村に戻る。

「追いかけなきゃ〜!」

「シュガー!どうするっぴ!?」

「…先に進もう。私たちが口を挟む問題じゃないよ」

そのシュガーの発言に、今まで我慢していたのだろうキルシュがふざけるな!と怒鳴った。

「お前!さっきから冷たすぎねぇか!?放っておいたら彼女が殺されるのはわかるだろ!?見損なったぜ!俺は助けに行くからな!」

「キルシュ!待って〜!」

「!!……シュガー…」

「…ああもう!」

キルシュはトルーナ村に引き返し、アランシアもその後を追う。残ったピスタチオは不安げにシュガーを見上げ、シュガーは苛立ちをぶつけるように髪をかき回した。

「ガキじゃないんだから、ちゃんと考えなさいよ!」

そうしてシュガーとピスタチオもトルーナ村に走る。
静かになった遺跡の出口の影でやり取りを聞いていたガナッシュは、

「やれやれ…手がかかるな…」

ため息をついて踵を返したのだった。









CreationDate:2015.05.14




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