Girl's Side -Day3- 02

シュガーは複雑な思いで立っていた。

犯人は知っている。ティラミスが殺すのを見た、犯人だと言えば事件は解決するのだろう。けれどこれは村の問題だ。所詮旅人であり今にも出ていく人間が口に出すべきことなのだろうか。
彼女たちが、私たちに、余所者に関わってほしくないと思っているのは気付いている。だって、聞いてこない。本当に解決したいと思っているならば聞けば良いのだ。一言、何か不審な物音を聞いたかと。ミルフィーユは知っている。犯人が身内であることを。
だから私は、彼女が聞いてくるまで何も言わない。言えない。

ガナッシュも解っていた。だから口を出さない。そして、シュガーが苦しんでいることも解っていた。

「取り込み中、もうしわけないが…」

出来る限り早くこの場を去ろうと思ったのだろうガナッシュが口を挟む。

「ちょっと!ガナッシュ!あとでもいいよ!んもう!」

「ごめんなさい…」

「ミルフィーユ…わしら古代の民の末裔、滅びるのが運命かもしれん。運命ならば神様がきめたこと。なにを泣くことがあろう」

ミルフィーユはシフォンの話を黙って背中で聞きながら、引き出しからウークルの羽を取り出し、シュガーに渡した。

「…はい、ウークルの羽。遺跡まで案内します。ついてきて」

「オイラたち、急いでないから後でもいいっぴ!」

ミルフィーユはピスタチオの言葉など聞こえていないかのように出ていってしまう。

「俺たちは余所者でしかないんだよ。厄介ばらいしたいのさ」

「…そうだね。早く遺跡を抜けて、みんなを探そう」

「……」




家の外ではミルフィーユが待っており、遺跡までの道案内をしてくれたが、昨日とはうって変わって他人行儀だった。

彼女の態度は余所者の干渉を全身で拒否していた。









CreationDate:2015.05.13




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