Day1.03

「そんなの嘘だよ。本当なら毎年のようにヴァレンシア海岸に行くわけ無いじゃん」

音楽室ではカシスとシードルが言い争っている。

「学校は噂の揉み消しに必死なんだ。毎年この時期になると何者かに校門を破壊されるらしいし、絶対何かあるぜ」

「キャンプで毎年誰かがいなくなってるってのが本当だったら、一体誰がいなくなったって言うのさ!」

「なにそんなムキになってんだよ」

「だっ…「ガナッシュの姉さんが、キャンプから帰ってすぐ家出しちゃったわ…」

三年前の話よ、とオリーブがシードルの言葉を遮った。

「そんなのキャンプとは無関係でしょ。結局はそんな話に尾ひれがついただけだよ」

「ホントお前って現実的だよなぁ〜」

「わかったよ!ガナッシュに聞けばいいんでしょ!ガナッシュはどこ!?」

「アイツが家族の話なんかするわけねぇだろ。カベルネに聞けばいいんじゃねぇのか?」

「…なんでカベルネに??ってあれ?カベルネは?」

「さぁな。…もう行こうぜ、そろそろ時間だろ。ソルトとシュガーが呼びに来てる。待たせちゃ悪い」

「「もうずっと待ってたんですが」」
「……」「……」「……」

「大丈夫よ〜。慌てないでも〜。のんびり行きましょうよ〜」

ハープを弾いていたアランシアがやっと口を開いた。

「お前は少しくらい慌てろ」

「あはは〜ごめんごめん」



「ところで、身体測定どうだった?」

「ああ?」

シードルの唐突な質問に、ソルトは睨みつけた。

「え、そんなに怒る?」

「身長伸びたか?」

ソルトの反応で察したのだろうカシスがニヤニヤと笑いながらソルトを構う。

「うぜぇ!」

「コールパウダー」
「レッドローズ」

キレるソルトの横でシュガーはパウダーをコールし、見事なコンビネーションでソルトがレッドローズをカシスに向かってうった。

「うわ!?ちょ、お前全属性使えるようになったからって弱点狙ってくんなよ!ってかなんでシュガーまで」

「私とソルトは同じ身長だから、ソルトをバカにするってことは私のこともバカにしているのと一緒!」

二人に攻撃をされてるカシスを見ながら、シードルは呟く。

「…なるほどね。二人に身長の話しは禁物って事か。気を付けよ」

私も気を付けよう。
オリーブとアランシアも同意した。









CreationDate:2005.12.19
ModificationDate:2015.04.23




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