Boy's Side -Day2- 04 「情報の共有はすべきだろ?」 「…合宿前に校長とマドレーヌの話を聞いた」 ソルトは会話の内容を話した。 「…なるほどねぇ」 「…知ってんのかよ、15年前」 「知ってるぜ?15年前のことも、3年前のことも。ただ誰かに聞かれてる状態だとまずいかもな。……後ろにいるやつ出てこいよ」 「!」 「くっくっく…。まさかばれていたとはな…」 カシスが振り向きざまに魔法を放ち、それを避けて笑うエニグマ。カシスも本気は出していないが、このエニグマも他とはレベルが違うようだ。 戦い慣れをしてないソルトは気付かなくても仕方ないのだが、話してても周りを警戒し、気配に気付いたカシスに悔しさを覚えた。 「だから嫌いなんだ」 「なんだ!?いきなり!!」 「バーカ!」 「……」 二人の掛け合いを見ていたエニグマは、一通り終わった所で口を挟む。 「お前たちは弱くない。…だがもっと力が欲しいんじゃないか?…やろうか、力を」 「どういうことだ」 「簡単な話だ。俺と融合すればいいのさ。融合すれば巨大な力を手に入れられる」 「融合だと…?」 「ああそうさ。お前らならいい宿主になれるぜ」 「そう言う事か…」 カシスが呟いた。 「なんだ?する気になったのか?」 「いや、こっちの話さ。…3年前もヴァレンシア海岸に来たのか?」 「さぁ…だが噂は聞いたことがある。かなり良質の宿主を誰かが見つけたらしいな。それがその場所かは知らないが」 「まさか…」 「ああ、思ってた通りだ」 「何を言っている?融合するのか、しないのか、二つに一つだ」 「俺はしないぜ。俺は自分で強くなりてーから」 「他人の力をもらうなんて真っ平ごめんだ」 カシスとソルトの言葉を聞き、エニグマは逆上する。 「交渉は決裂だな。…なら力づくでやってやるぞ…くっくっく」 「…お前も手伝えよ」 「…仕方ねーな」 「…思ったより弱かったな」 「手間かけさせやがって」 「くそっ!」 二人の前で膝をつくエニグマは「闇のプレーンなら人間どもになんか負けるはずがない」と捨て台詞を置いて消えた。恐らくは闇のプレーンに帰ったのだろう。 「…嫌なフラグ出すんじゃねーよ」 「は?」 「…光のプレーンだけじゃ終わんねー気がしてきた」 「…」 CreationDate:2009.12.30 ModificationDate:2015.05.10 [ 4/7 ] [ 48/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |