Girl's Side -Day2- 02

「洞窟の入り口があるっぴ!この先にアランシアがいるっぴ!行くしかないっぴ!」

「…気味悪いね、この洞窟…」

「…よし、アランシアはほっとくっぴ!」

「入るからね?」

「オイラと離れないでくれっぴ」

随分とイイ性格をしてる犬である。





洞窟の中ではアランシアに似た女が待っており、二人を呼びながら奥に消える。

「…ふっふっふ…こっちだよ…おいで…」


「アランシア…?どこか変だっぴ…」

「逆に聞くけど、どこが変じゃないっていうの?」

「……へ?シュガー、何言ってるっぴ?」

「先に進むよ」

「待ってッぴーーーー!!」







「うまいこと、エニグマの手から逃れてるようだね……」

洞窟の出口の穴の前に、入口で会っただろうアランシアに似た女が立っていた。

「アランシア!どうしたっぴ!?目つきが怪しいっぴ!」

「光の中ならエニグマからも逃れられるだろうけど、こんな闇の中に友達を追ってくるなんて己惚れてるのかな?」

「エニグマ…?」

「海岸で襲ってきたあの化け物よ」

「…闇がどうしたっぴ?ここは危険だっぴか?」

「…そろそろ気付いて」

「???」

「何も知らないんだな。まぁ、いいだろう。エニグマは闇から生まれた生き物で、凄まじい魔力を持っている。敵に回すと怖い存在だが…、味方にすれば、無敵の強さを手に入れることになる…」

「強くなれるっぴ!?どうすればいいっぴ!?」
「ピスタチオ!」

シュガーはピスタチオを制するが『強さ』に惹かれてしまったピスタチオは聞こうとしない。

「簡単さ。体を貸してやるだけさ。融合するのさ」

「ゆうごう…?」

「ああ、そうだ。もう少し傍に来なよ…教えてやるよ…」


「ピスタチオ!シュガー!離れろ!」


前に進もうとしたピスタチオの手を取りひっぱると同時に、アランシアに似た女に火の玉が飛んだ。

「くそ…っ邪魔が入ったか…」

「ソイツはアランシアじゃない。エニグマが化けてるんだ。シュガー、お前気付いてただろ?ピスタチオに教えてやれよ」

「だって何回も止めてるのに聞かないんだもん」

「あたしってあんなのなの〜?」

「??あう?あうあー?」

一人状況が掴めないピスタチオは狼狽えている。


「仕方ない…!力ずくでうばってやるッ!」

アランシアの外見をしたモノは、変身を解いて元の本体だろうエニグマに戻った。


「ケッケッケッケ……。せいぜい楽しませてくれよ」









CreationDate:2008.08.25
ModificationDate:2015.05.05




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