Girl's Side -Day2- 01

「……?」

シュガーは日の差し込んだ明るい場所に横たわっていた。

「ソルト………?」

目を開けて辺りを見回す。右手でずっと掴んでいたはずのモノはない。

「……一人だ……」

シュガーはパチンと頬を叩き、立ち上がった。





自分が倒れていた広場のような場所から道に出ると、きょろきょろと周りの様子を伺う挙動不審なクラスメートが目に入った。

「あっ!シュガー!!」

「ピスタチオ!」

「助かったっぴ〜〜〜!!オイラ、海岸で突然変な生き物に追い回されて…でも、もう大丈夫だっぴ!仲間に会えたっぴ!!…」

そう言ったピスタチオは、一瞬肩を揺らしたかと思うと猛スピードで反対側に走っていく。

「……エニグマ」

嫌な予感がして振り向けば、海岸で何度も見たエニグマが立っていた。一匹なんて余裕だ。今までの苛立ちも込めて一撃で倒す。

川沿いを歩いていくと木の橋がかかっており、熊のようなモンスターと死んだフリをしているピスタチオがいた。ちなみに、熊と出会ったときに死んだフリをするのは逆におもちゃにされて危険である。

「ほくしゃーーーー!」

「こまったっぴ…はさまれたっぴ……死んだフリしてるの見破られたら、オイラも終わりだっぴ……」

どうやらシュガーをエニグマだと思っているらしい。

「…そんな私、簡単にはやられないけど?」

「…!シュガー!丁度よかったっぴ!!これからこのモンスターと戦うところだっぴ!一緒に戦うっぴ!」

「……さっき見捨てたくせに何て現金な……一人でガンバッテクダサイ」

「意地悪言っちゃ嫌だっぴ〜〜ッ!!」








「ひゃっほ〜〜〜〜!!オイラ生きてるっぴ〜〜!!生きてるっぴ〜〜〜〜〜!!」

戦闘に勝ったピスタチオは、喜びのあまり叫んで踊りだした。

「………………」

嬉しそうに小躍りしているピスタチオは、シュガーの白けた視線に気付いて慌てて取り繕う。

「と、ところでシュガー殿!!これからどっちに行くっぴ!?オイラの鼻によると、西の方からはアランシアの匂いがするっぴ!」

「……はぁ……まあいいか……。アランシア、探そう」

「了解だっぴ、隊長!」

随分とイイ性格をしてる犬である。



西に歩いていくと洞窟が見えた。









CreationDate:2008.08.25
ModificationDate:2015.05.05




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