Day2.17 ソルトは昨日の朝に聞いたマドレーヌとグラン・ドラジェの会話を反芻する。 「ヴァレンシア海岸……あそこは、3年前の事件の後すぐに閉鎖すべきだったわ。よりにもよって、どうしてあんな場所でキャンプを続けるんですか?」 「こちらの動きをヤツらに知られたくないんだ。子供たち全員とは言わぬ。半分でいい。前線に出せる魔法使いとして育てて帰ってきてほしい」 「半分!?他は死んでもいいっておっしゃるんですか!?それはあんまりです!!何かあったらすぐ、私の判断で学校に戻ります!!」 「一刻を争うんじゃ。軍にはもう、頼れる者はおらん。このままだと、15年前の悪夢の再来…いや、こちらにはもうヤツらをおさえこむ戦力がない…どうなるかは火を見るよりあきらか。 たのむ、マドレーヌ。戦争はもう始まっておるんじゃ」 「……。校長の考えはわかりました。だけど、全員連れて帰ります。一人も死なせたりするもんですか」 「…そういう、事かよ…!」 怒りをぶつけるように近くの木を殴りつけた。 「用があるのはそこの二人だ」 エニグマはシュガーとソルトに近寄るため、マドレーヌを歯牙にもかけぬ様子で通りすぎようとする。 「誰がザコですって?」 それをマドレーヌは光魔法で防ぎ、エニグマを次々と消していった。 「こ……!コイツッ!!」 「みんなにしたことを私にもしなさい」 「チッ!!ここで戦うのはブが悪い」 「光のプレーンにもどるのか?」 光のプレーンにもどる…??エニグマが? マドレーヌは疑問を抱いたが、今は生徒たちが優先だとエニグマたちを睨んだ。 「あそこはもっとブが悪くなるだろうが。もっといい場所を用意してやるよ。くっくっくっくっく……」 「さぁ!!どうするのッ!?」 「今だ!!はさみうちだ!!…そこの二人」 マドレーヌに気を取られていたと思われるエニグマが二人を向く。 「「!」」 「皆を助けたいか…?お前たちが来るのを待っているぞ…」 「ケッケッケ……」 そうして化け物はヴァレンシア海岸から居なくなった。 CreationDate:2008.08.24 ModificationDate:2015.05.04 [ 17/18 ] [ 34/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |