Day2.15

「ケッケッケ…」

目の前を囲む多数の化け物に、ソルトとシュガーは戦闘態勢をつくる。

「コンカッセ!」「ミジョテー!」

「カシス、ガナッシュ!」

「相手にするだけ無駄だ!!コイツら、どんどん出てくる!!」

「コイツらは俺たちが抑える!キズついた連中の手当てを!」

「……っ、無駄だよ!」

ガナッシュの言葉に首を振るシュガーは気付いていた。この場には殆ど闇の気配しか残っていないことに。

「気配が消えた。残ってるのは私たち四人と先生だけだよ…」

「……くそっ!皆をどこにやった!」

「くっくっくっ……!!いい目をしている……。パワーを感じるぞ…。しかし、もうずいぶん戦ったハズだ。いつまでもつか…。四人でかかって来るがいい。くっくっくっ…」

前に出るソルトをガナッシュが抑える。

「待て。手を出すな…。俺一人で十分だ」


「ひゅ〜。かっこいいねぇ〜」

「…茶化すな、カシス」

「へいへい」





「もしかしてあれは…ああそうだ。あの気配…まさかこんな所に巫女がいるとは…。くっくっく…。良いモノを見つけた…」

そっとどこからか近づく一匹の影。他の化け物とはレベルが違うようで、素早い動きでシュガーに飛び掛った。

「「シュガー!」」

魔法を唱える時間はない。思わず目を瞑ろうとするシュガーの視界に銀色の髪が映る。

「…っ!!」
「「カシスっ!」」

「目的とは違うものが取れたが良いだろう。コイツもずば抜けて、いいパワーがある…」

ソレはカシスを連れて消え去った。

「…ぁ…カシ、ス…私の…所為……で」

甘く見ていた。ゲームで、経験してるから、と。これは現実で、ゲームなんかじゃないのに。ゲームじゃないって解らせたばかりだったのに。

「……落ち着け」

フワリと匂う慣れしんだ香りがシュガーの意識を引き戻す。ソルトに抱きしめられている事に気付くのに時間は掛からなかった。

「…いいか。あいつは認めたくねぇが弱くない。何処に飛ばされたかは知んねぇが、直ぐにやられるやつじゃねー」

「…うん…」









CreationDate:2008.08.24
ModificationDate:2015.05.04




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