Day2.13

なんで俺がと渋るソルトを無理矢理連れて、シュガーはキャンプファイアーの場へ戻った。

「レモン、ブルーベリー」

「浮かない顔してるね。何かあったんでしょ?話しなよ」

ガナッシュとカシスの二人に忠告されたことを報告する。

「……そうか…。アイツら、カンいいからな…。とにかく、気をつけておくよ」

「キルシュにも伝えてくれって言われたんだけど、どこに行ったか知らない?」

「ああ、あっちにあるカエルグミの林に行ったよ」





カエルグミの林に行くと、逃げるカエルグミを必死で追っているキルシュとそれを見ながら呆れた顔をしているアランシアがいた。

「オラオラオラオラオラ〜!!待て待て待て待てコノォ!!」

「も〜キルシュって馬鹿だよね〜!のーみそカエルなみ〜!奥にもう一匹トロいのがいるのに〜素早いのばっか捕まえようとするの〜」

「カエルほどもねーんじゃね?」
「ノミ?」

キルシュに対して酷い言い様である。

まあ突っ立っていても仕方がない。キルシュにも伝えなければ。

そう思ってシュガーが近づくと、

「よこどりすんなっ!奥にもう一匹いるからそっちいけよ」

「別にカエルグミを捕まえようとしたわけじゃないんですが」

「……馬鹿はほっとけよ。捕まえるまで待つしかねーな」

「「面倒くさい」」

二人は同時にため息を吐いた。





刻々と時間が経過するが、キルシュはまだまだ捕まえられる様子がない。

「……帰るか」「帰りたいね」

報告しなくてもキルシュだったらどうにかするだろうと思い二人が腰を上げた時、アランシアが言っていた奥のトロい一匹がぴょんと前に現れた。

「……」「……」

二人と一匹で見合うが、カエルグミは逃げない。そこら辺に咲いている草を掴むようにゆっくりソルトが手を伸ばすと、カエルグミは自分から拾われるようにすっと手の中に収まった。

「…なんか、捕まえたな」

「捕まえたと言うより…拾った?」


「よっしゃあ!ケロケロゲットだぜ〜!」

漸く捕まえられたのだろうキルシュがカエルグミを掲げて叫ぶ。


「キャーーーーーッ!!!」


のんびりとした空気を、突如大きな悲鳴が引き裂いた。









CreationDate:2008.08.24
ModificationDate:2015.05.04




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