Day2.12 ガナッシュに呼ばれている海岸へ向かったシュガーは、表情には出ていないが内心はかなりショックを受けていた。 先程のキャンディの様子である。 あんなに拒絶をされたことなんてなかった。聞いてしまったことだけに怒っていたわけじゃないだろう。でも何が原因で怒っているのかがわからない。理由がわからないと謝ることもできない。 「シュガー」 「!……ガナッシュとカシス」 「なんかあったのか?」 「ううん?何もないよ??」 ガナッシュの隣にはカシスがいた。この場の空気を読むに、どうやらあまり良い話ではなさそうだ。 「…ならいいんだけど」 「……シュガーにも言っておきたいことがある」 「何?」 「嫌な気配を感じる。何かが来る」 「何か…って」 「詳しいことはわからないが…。何かが起きるハズだ……」 「ヤバイと思ったら逃げろ。とにかく生き延びることを考えろよ」 カシスがガナッシュに続く。 「…生き延びること…」 「…死んだら終わりだから、さ」 「レモンとキルシュにも気を付けておくよう言っておいてくれ。ヤツらは戦力になる。頼んだぞ、ソルト、シュガー」 ガナッシュがソルトと言うのに振り向くと、いつからいたのか後ろに立っていた。 「ソルトいつの間に…」 「今。っていうか自分で言いに行けよ」 「……頼んだぞ、シュガー」 「うん」 「無視か。何か俺最近シカト多くね?」 どうやらガナッシュの様子がおかしい。どこか焦っているように感じられる。不思議に思う二人にカシスがこっそり説明した。 「…三年前、ガナッシュの姉貴もこのキャンプに参加したんだが、戻ってからすっかりおかしくなっちまって、コイツもピリピリしてるんだ。ま、確かに世の中何が起きるかわかんねぇし、戦いに備えて心の準備をしておこうぜ。何もないといいね。あってもいいけどさ」 「別に聞いてもない説明、ありがとよ」 「ソルト……」 「お前年下のくせに可愛くねぇよな」 「可愛いとも思われたくねーよ」 CreationDate:2008.08.24 ModificationDate:2015.05.03 [ 12/18 ] [ 29/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |