Day2.06

わっと散り散りになる生徒たちだが、その場に留まって燃え盛る炎を見ている生徒もいる。シュガーもその一人だ。

「ユウヒハオレノタマシイノイロー。アカクモエツキテ、セイジャクエトカエルゼー。ベイベ〜ナイテモイイノサー。キセツガメグリフユガオワレバー ベイベ〜ケッコンシヨウー。ソシテフタリハタンポポノワタゲニナッテタビダツノサソラヘー。ン〜ン〜ン〜ン〜ン〜ン〜ン〜ン〜〜〜〜」

必要のない、むしろ無くて良いBGMを聞きながら。

「あれ、シュガー、珍しいわね。一人でぼうっとしてるなんて。私、体が弱いからあんまりはしゃげないから…。走りまわって騒いでる皆が羨ましいな…」

落ち込みながら言うブルーベリーにレモンが反応する。

「あんなバカ共と一緒になる必要はないよ!ブルーベリーには私がついてるさ!」

「ふふっ。ありがと、レモン」

「ああ。……海っていいよな。波の音聞いてるだけで頭からっぽになる。…波音じゃなくて邪魔な歌が聞こえてくるけどさ」

「同感だヌ〜。波の音って心地良いヌ〜。…変な歌も聞こえてくるけど」

「ジャマッテ、ヘンッテナンダ!オレノウタハ、プロナミダゼー!」

カフェオレの叫びはみんなに無視された。


「ハハ…。でもさ、先生は言ってたけど、こんなとこで極められんのかねぇ…」

「極める?魔法とか?」

「まあそうだな。つまり強くなりたいだけなんだけど」

「強くなる……」

「俺が刃の魔法を極めたいと思ったのは勝ちたいからさ。特に1対1の戦いでね。オレは逃げたくもねぇし、負けたくもねぇ」

「なるほど…。でもカシス強いじゃん?」

「今より、もっとな」

そう言ってカシスは口の端をあげる。彼の強さはどういうもので彼の強さは何に使うためのものなのだろうか。

シュガーは腰を上げて背伸びした。

「ちょっと散歩してくるね」





海岸に向かう途中に倒れているピスタチオと落ち込んでいるペシュを見付ける。

「波の音って、どうしてこんなに切ないっぴか……」

キミが今ボロ布になってるからだよ。
シュガーはそう思ったが敢えて口にしなかった。

「ピスタチオちゃん……。勝てるといいですの。誰とも別れたくありませんの……」

ボロボロになったピスタチオには聞こえていないだろうがシュガーには小さく届く。

まずやり方に問題があるのでは。
シュガーはそう思ったが敢えて口にしなかった。









CreationDate:2008.08.23
ModificationDate:2015.05.02




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