Day2.05

「六人とも!!こんなに遅くまでどこに言ってましたの!?キャンプファイアーが始まりますの!急ぎますの!」

洞窟を出て待っていたのは愛の大使の説教だった。





「二日目もそろそろ終わり、皆も少し慣れてきたと思います。長い長いキャンプが始まります。キャンプの間は家族と離れ、身の回りのことは全部自分でやらないといけません。最初のうちは楽しいと思うけど、暫く続けるうちに寂しくなる人や喧嘩をする人が出てくると思います。
 嬉しい事もあるだろうけど、辛い事もあります。だけど、それらは全て皆の経験になります。いろんな経験をすればするほど、皆は強くなっていきます」

マドレーヌは一人ひとりの顔を見ながら語る。

「強くなるって事は、誰と戦っても負けないと言う事ですか?
 それは違いますね。本当に、本当に強くなれば、戦う必要もなくなるんです」

「でも、カラマリィに勝たないと、オイラ落第だっぴ!強くなって、戦って、勝たなきゃいけないっぴ!」

マドレーヌの言葉にピスタチオが反論した。

「それじゃ、こう考えてみよう。戦わなくていい。勝たなくていい。落第してもいい。パパとママから魔法学校なんか通わせないと言われてもいい。学校に行けなくてもいい」

「そうしたらもう、誰にも会えないっぴ!!」


「学校に来れなくなってひとりぼっちになっても、誰一人としてキミの友達でなくなる子はいないわ。キミがどこにいても、みんな心の中で繋がっているの。
 それに気が付いたとき、キミは本当の自分自身の力に目覚めることができるはず。それが本当の強さ。そこからが魔法使いとしての修行の始まりよ。学校で教えることなんて本当はどうでもいいの。
 ……わかったかな?」


「でも先生…………!!」

「心配するなよピスタチオ!俺がしごいてやるよ!」

「私も手伝いますの!」

納得の出来ていないピスタチオに、キルシュとペシュが声をかける。

「ペシュなんかにしごかれたらお仕舞いだっぴ!」

「上等ですの!!お仕舞いにしてあげますの!」

「ごめんっぴ―――――!!」

「許しませんの―――――!!」

逃げるピスタチオと追うペシュ。
それを見ながらマドレーヌは苦笑してため息をついた。


「…それじゃあこれから一時間、自由時間にしまーす!」









CreationDate:2008.08.23
ModificationDate:2015.05.02




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