Day2.03 ピチョン…… ピチョン…… 暗くどんよりとした空気の中に水音が響き渡る。 「俺、今、すげぇドキドキしてる。なんか出るんじゃないか?」 「なんにもねぇよ!あるのは淀んだ空気だけ。気がめいるだけだー」 「大地は何故光を閉ざすんだろう。大地が僕らから隠さなきゃいけないモノってなんなんだろうね…。お宝なのか…、死の恐怖なのか…」 「…あれ、何?」 みんながこの洞窟に気持ち悪さを感じる中、シュガーが何かを見付けた。ヒゲもじゃの小さい男だ。普通の観光客だと思っただろう…薄く透けてさえいなければ。 『わしが見えるのか?』 「いや」 『思いすごしか。ヤレヤレ』 「嘘付け!」 問いかけられた質問に否定で即答したソルト。男は信じたが、シュガーにツッコまれて見えていることに気がついた。 『…わしが見えるとは珍しいの…。それも二人か。お前達に良いことを教えよう』 「…おい。お前ら誰と話してんだ?」 キルシュが恐る恐る問う。他の三人も訝しげな顔で二人を見ている。 「え…みんなには見えてないの…?」 「……」「……」「……」 「…みたいだな」 男が言った二人とは、シュガーとソルトのことであった。戸惑っている一同を気にすることなく、男は語りだす。 この洞窟では何人もの人が死んだ。 海賊がこの洞窟に宝を埋めた時 その秘密を守るため手下はみな殺された。 200年後 ここの宝を掘り当てた連中は 仲間割れのあげくに殺しあった。 この洞窟には そう言うヤツらの念が強く残っている。 それがプレーンをひずませておる…。 『オヌシらも気をつけんと他のプレーンへすべり落ちるぞ』 男はそれだけを言うとフッと消えた。 CreationDate:2008.08.14 ModificationDate:2015.05.01 [ 3/18 ] [ 20/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |