Day1.16 「「同時に産まれたから、兄、姉はない」」 「それどういうことだっぴ?」 「同時に産まれたってどう言う事ですの?」 「「コンマの時間まで同時に、産まれた」」 「なんかすごいな!運命だな!」 「アニキの口から運命とか…」 「うるせぇなセサミ!いいだろ別に!…俺もキャンディと…」 「……」 「カシス?ぼうっとしてどうしたヌー?」 「いや、…なんでもねぇよ」 「そんなのありえるの!?」 「まあ…ありえてるから私たちがいるわけだし…」 「……シュガーは、」 「なあに?ブルーベリー」 「…いいえ、なんでもないわ…」 時間もてっぺんを過ぎ、一人一人と寝つぶれる。会話もなくなって静寂が流れ、シュガーも寝ようと目を閉じると隣からため息が聞こえて、もう一度目を開けた。 「……?…どうしたの、アランシア」 「……ううん。なんでもないの〜」 「悩みだったら聞くよ?」 アランシアは周りを見渡し、自分たち以外が寝てるのを確認して話し出す。 「最近キルシュ、キャンディばっか夢中で」 「うん」 「…小さい頃は私の事をお嫁さんにするって言ってたのに」 忘れてるんだ、きっと。 「……」 「ごめんね。変な話して。…もう寝よう」 そう言ってアランシアは布団をかぶりなおした。 「…大丈夫だよ。キルシュはまだ、気付いてないだけ」 「…気付く…?」 「キルシュはアランシアの事、大切にしてるよ」 「…そうかなぁ?」 「うん。絶対ね」 「…ありがと」 そんなアランシアをシュガーは、かわいいな。と思うと同時に幸せ者のキルシュとか考えられない。と顔を顰めたのだった。 CreationDate:2008.08.11 ModificationDate:2015.04.29 [ 16/16 ] [ 17/79 ] [Put a Bookmark] ← 戻る |