Day1.13

シュガーたち三人から離れたソルトは森の中を一人歩いていた。


『えー。じゃあソルトはこなくていいよーだ!』

『、行く気もねぇよ』



先程やり取りを思い出し、ため息を吐く。


あいつの返答に詰まった。
それは多分、近い未来にそうなることをわかっているからだ。


『お前もだ、シュガー』


朝、シュガーに放った台詞が還る。


……女々しいのはどっちだか……。


ソルトは自分自身に嘲笑し、目の前の石を蹴り飛ばした。



あいつが帰ってこなければよかったと思う。
会わなければよかったと思う。
それでも帰ってきてよかったという矛盾の気持ちがあることは否定できない。

ずっと傍に置いておけるなら
あいつが“ココ”にいる状況に感謝できた。

……いる、なら。

ずっと俺の近くにいるわけにはいかない。
いつか……いやむしろ今離れないのが遅いくらいかもしれない。

手放さないといけないのに。

来る前は放せると思っていた。



「……あと少し」



今度は本当に開放するから。
せめてこの期間だけでいいから。



ソルトは祈るように目を瞑った。



(たとえ、その所為であいつを傷付けるとしても)









CreationDate:2008.08.10
ModificationDate:2015.04.29




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