Day1.12

「みんな〜!まだ自由時間じゃないよ〜!」

「だーいじょうぶだよ!先生時々ぼーっとしてるから、俺たちいない事気づいてないって!」

「もー!キルシュってば〜!」

コテージに荷物を置いた後広場に集合という手筈だったが、全員がしっかり言うことを聞くような優等生ではない。上記はその中の一部の会話である。
ちなみに注意を促したアランシアも集合場所に行くことはなかった。



「…というわけで、夜のキャンプファイアーまで自由時間になりまーす。それじゃあ、かいさーん!」



「ソルト」
「マドレーヌ、何だって?」

会話を聞いてわかるようにシュガーは集まっていたがソルトはサボっていた。それに対してシュガーは何も言う事なく言葉を伝える。
近くにいたペシュは、みんな不真面目ですの!とぷりぷり怒っていたが、ソルトは全く聞いていない。

「……んで、キャンプファイアーまでは自由だって」


「ソルトー!シュガーー!」

キルシュがアランシアを連れて走ってきた。

「ヴァレンシア海岸って言ったら海賊だよな!海賊!きっと海賊の宝、このへんに埋まってるぜ!!探検しようぜ!」

「それはちょっと危険なことじゃありませんの!?」

「危険じゃないよ〜!面白そうだよ〜!ペシュは行かなくてもいいから、四人で行こうよ〜!」

「ちょっと待てよ。四人じゃ雰囲気出ないだろ?俺をリーダーにして、六人くらいのパーティーで行こうぜ!」

行く気満々のキルシュにソルトがつっこむ。

「ちょっと待てよ。誰も行くなんて言ってねぇだろ。面倒だ」
「えー!行こうよソルトー!」

「…ガキかお前らは」

「えー。じゃあソルトはこなくていいよーだ!」
「、行く気もねぇよ」

そう言ってソルトはその場を去った。

「ノリわりぃなー。三人か…後三人だな」

「じゃあレモンとブルーベリーを誘おうよ〜!」

「うーんあの二人もいいけど、キャンディも誘おうぜ!」

「え〜キャンディ〜?最近キルシュってキャンディのことばっかし〜」

「そ、そんなことねぇよ……」

「だってそうだもん」

「ちがうって言ってるだろ!」

言い争い始めた二人はそっぽを向いて別々の方向に歩き出す。海賊の宝探しなんて頭の中から抜け出てしまっただろう。

残されたシュガーはため息を吐いた。









CreationDate:2008.08.10
ModificationDate:2015.04.29




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