Day1.07

マドレーヌは不審な態度を見せるグラン・ドラジェに首をかしげたが、バスに設置してある時計に目を向けて先を急いだ。

「これでみんなそろったかな?」

「先生!」

キャンディが手を上げる。

「ガナッシュが来てません!休みなんですか?」

「あいつ、サボる気じゃねぇの?」

「…私、探してきます」

「!!私も…っ!」

オリーブがバスを降りると、キャンディも後を追って席を立つ。

「ちょっと待ちなさい!2人でいかなくてもいいでしょ」

マドレーヌが制し一旦は二人とも歩みを止めたが、キャンディが足を止めた隙を狙うかのようにオリーブはガナッシュがいるであろう方へと走っていった。

「あ…!オリーブ…っ!」

残されたのは、手を握り締めてオリーブの背中を睨み付けている、1人の少女。



「…女はめんどくせぇな」
「まあそう言うなって。可愛いもんだぜ、それくらい」
「一生黙ってろ」
「…一生って…」

バスの後部席でそんな会話がなされていたことは本人たちしか知らない。
そんな中シードルがシュガーがいないことに気付いた。

「…あれ、シュガーは?」

「ガナッシュ探してくるってよ」

「…ならオリーブも行かなくてよかったんじゃ」

「…」「…」「…」






シュガーはガナッシュを探しに出たが、何処にいるのか検討もつかず、さ迷っていた。
不意にどこからか音色が流れ、もしかして、と音の聴こえる方に足を進める。

音はガナッシュの持つハーモニカから流れていたのだろう、ハーモニカを吹くのを止めたガナッシュとオリーブが言葉を交わしているのが見えた。
雰囲気は明るいものではなく、声をかけるのを躊躇う。

オリーブは不安げに訴えていた。









CreationDate:2008.08.08
ModificationDate:2015.04.26




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