07

「流石シュガー、巫女なだけあるわね」

マドレーヌ先生の言葉にソルトが顔をしかめたのに気付く。どうやら巫女だというのはあまり言うべき事ではないようだ。

「えっ!?巫女!?」


「そうよ。

 クラスメートの貴方達だけに教えます。
 彼女は巫女で、普通ではない力をたくさん持っています。全ての属性を使えるのもその一つ。けれど、だからこそ悪い人たちに捕まって利用されてしまうと大変なことになります。だから、彼女が巫女だということは他言無用です。

 それと、彼女が自分が巫女だと知ったのは最近なので、色々と困ることもあると思います。みんな力になってあげてね」


ああ、この空気、嫌だなぁ。
自分が周りと違うことをまざまざと思い知らされる。
気を使われるのも嫌だし、これだったら言わなくてもよかったのに。


「だからソルトも3属性使えるんだね〜。シュガーも大変かもしれないけど、精霊みんなと仲良くできるのは楽しそ〜」

アランシアの無邪気な言葉を皮切りに次々とみんなが話始める。

「っていうかソルトとシュガーが双子って事実にびっくりなんだけど」

「あんまり似てないヌ〜」

「巫女なのにソルトみたいな悪魔に似たら大変だっぴ!」
「お前後で校舎裏来いよ」「っぴー!!」

「毎回一言多いんだから…」

「お馬鹿ですの!」

「もちろん誰にも言わねぇよ!何か困ったことがあったら俺に言えよな!」
「アニキ!!カッコいいぜ!」

「おーれーもー言ー「オレサマモチカラニナルゼー」わーなーいー」

「全く、信用できねぇ男どもだよ…シュガー、何かあったらコイツらじゃなくて私に言いなよ」

「そっか、だから聞こえなかったんだ…」

「しっかしマドレーヌ先生もいきなりだよな。シュガーも困ってんじゃん」

「普通こんな重大な秘密、もっとお互いを知ってから言うもんでしょ。シュガーだって僕達のことを知ってるわけじゃないんだから信用もできないんだし困るよね」

「…まあ先生も俺達を信じてくれてるんだよ」


「え…」
思わぬ反応に言葉が出ない。

ぽんと頭に手を乗せられたのを感じて振り向く。

「ま、変わったやつばっかりだけど、悪いやつはいないから信頼しても大丈夫だぜ」

「こいつは気にくわないけど、まあ間違ってはない。気楽にいけよ」
「お前なぁ…」


カシスとソルトが言い合って、みんなが笑いながらこっちを見てて、

この人達は。

今までの人と同じに見てた自分を恥じた。
すごく失礼だった。


「自己紹介の時も思ったんだけど、確かに年もバラバラで年下も年上もいるけど、敬語なんて使わないで普通に話してちょうだい。私達、貴女と友達になりたいの」

ブルーベリーの言葉にみんなが笑顔で頷く。


じわじわと嬉しさが沸き起こる。嬉しくて、ホントに嬉しくて、これ以上の表現が思い付かないくらい嬉しくて。
嬉しさとともに込み上げる照れを抑えながら


「これから、よろしくね!」

私も精一杯の笑顔で答えた。










CreationDate:2004.08.19
ModificationDate:2015.03.20




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